本研究では,中枢神経系においてリラックス効果に主要な働きをしているGABA
A受容体に対する日本酒成分の効果を明らかにするため,アフリカツメガエル卵母細胞に発現したGABA
A受容体のチャンネル活性への日本酒成分の影響を検討した。受容体へ効果のある物質を特定しやすくするため,イオン交換クロマトグラフィーで日本酒を分画し,揮発性成分を除き濃縮するために凍結乾燥を行い,塩基性アミノ酸画分,中·酸性アミノ酸画分,有機酸画分,糖画分を得た。これらの日本酒画分存在下で測定を行った結果,得られた全ての画分にGABA
A受容体を活性化する成分が存在することが示された。特に,有機酸を主に含む画分において,GABAが含まれないのにも関わらず,GABA活性が存在し,さらに高い活性化率を示すことがわかった。以上のことから,日本酒にエタノールやGABA以外のGABA
A受容体活性化成分が存在することが示唆された。
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