日本醸造協会誌
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105 巻, 9 号
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解説
研究
  • 古浦 二郎, 玉置 雅彦, 荒巻 功, 猪谷 富雄
    2010 年 105 巻 9 号 p. 597-603
    発行日: 2010年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    大粒米と小粒米の吸水性及び蒸米の弾性の違いについて検討した結果,吸水面積率とその蒸米の歪みとの間では正比例することが判明した。従って吸水面積で蒸米にしたときの弾性が予想できる。白米より吸出される気体量の測定の結果,白米中の気体と水との置換速度に差があり,大粒米は小粒米の7倍の速さで置換されるため,浸漬時の吸水が短時間で行なわれる。この差をうめる手段としては,小粒米を20mm/Hgの減圧下で8時間浸漬することで可能であり,小粒米では減圧浸漬の効果は大であることが判った。
  • 三木 健夫, 添川 一寛, 矢崎 七瀬, 石神 裕康, 猪狩 信次, 林 幹夫
    2010 年 105 巻 9 号 p. 604-608
    発行日: 2010年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,プロリンオキシダーゼをコードするPUT1遺伝子を過剰発現させた酵母株(PUT1株)を構築し,本株のプロリン資化能を発酵条件下で調査した。結果,PUT1株を用いて2006年度甲州果醪を発酵させた場合,甲州果醪のプロリン減少量はコントロール株と同等であった事から,PUT1株のプロリン資化能は増大していないことがわかった。この理由の一つとして,プロリンパーミアーゼの活性が十分ではないことが示唆された。
  • 山田 康枝, 江口 将也, 伊豆 英恵, 後藤 邦康, 須藤 茂俊
    2010 年 105 巻 9 号 p. 609-614
    発行日: 2010年
    公開日: 2016/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,中枢神経系においてリラックス効果に主要な働きをしているGABAA受容体に対する日本酒成分の効果を明らかにするため,アフリカツメガエル卵母細胞に発現したGABAA受容体のチャンネル活性への日本酒成分の影響を検討した。受容体へ効果のある物質を特定しやすくするため,イオン交換クロマトグラフィーで日本酒を分画し,揮発性成分を除き濃縮するために凍結乾燥を行い,塩基性アミノ酸画分,中·酸性アミノ酸画分,有機酸画分,糖画分を得た。これらの日本酒画分存在下で測定を行った結果,得られた全ての画分にGABAA受容体を活性化する成分が存在することが示された。特に,有機酸を主に含む画分において,GABAが含まれないのにも関わらず,GABA活性が存在し,さらに高い活性化率を示すことがわかった。以上のことから,日本酒にエタノールやGABA以外のGABAA受容体活性化成分が存在することが示唆された。
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