日本醸造協会誌
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106 巻, 1 号
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解説
研究
  • 堀井 幸江, 橋口 知一, 伊木 由香理, 伊豆 英恵, 須藤 茂俊
    2011 年106 巻1 号 p. 45-49
    発行日: 2011年
    公開日: 2016/06/13
    ジャーナル フリー
    様々な食品において,安定同位体比の測定が,表示の真偽判定に有効であると報告されていることから,清酒および焼酎中のエタノールの炭素安定同位体比を測定した。炭素安定同位体比を測定する上で必要となるエタノールの濃縮方法として,単蒸留を繰り返す方法と減圧濃縮を比較した場合,減圧濃縮が同位体分別の程度が小さく,作業が効率的であった。モデル清酒を用いた実験では,炭素安定同位体比と醸造アルコールの添加割合との間に相関がみられ,添加した醸造アルコール量が推測できる可能性が示唆された。市販清酒を分析した所,純米酒,本醸造酒および普通酒の炭素安定同位体比に有意な差が認められた。モデル混和焼酎で,本格焼酎および連続式蒸留焼酎の混和割合との間に相関がみられ,混和焼酎の混和割合が推測可能であると思われた。
  • 髙峯 和則, 吉﨑 由美子, 島田 翔吾, 髙屋 総一郎, 玉置 尚徳, 伊藤 清, 鮫島 吉廣
    2011 年106 巻1 号 p. 50-57
    発行日: 2011年
    公開日: 2016/06/13
    ジャーナル フリー
    芋焼酎の中にローズオキサイドはシス体およびトランス体が検出され,それぞれ0.8~4.6μg/Lおよび0.3~1.9μg/Lであった。ローズオキサイドの閾値は25%アルコールでは0.35μg/L,芋焼酎では14μg/Lであった。閾値での評価は「甘い」,「華やか」,「バラ様」であった。ローズオキサイドは一次もろみとサツマイモからは検出されなかった。モデルもろみ(pH4.2,アルコール15%)を30℃で5日間加温するとシトロネロールからローズオキサイドへ変換された。しかし,ネロール,ゲラニオール,リナロールおよびα-テルピネオールからは変換されなかった。シトロネロールからローズオキサイドへの変換は蒸留工程およびモデルもろみをpH3.5以下にすることで促進された。麹菌と酵母によるシトロネロールからローズオキサイドへの変換は確認されなかった。シトロネロールはゲラニオールを前駆体として酵母により変換されたが,麹は変換に関与しなかった。
    以上のことから,ゲラニオールから酵母の微生物的変換作用により生成したシトロネロールが発酵過程で酸触媒による化学的変換作用によりローズオキサイドに変換し,蒸留工程で変換が促進されることが明らかになった。
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