日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
106 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
解説
研究
  • 久留 ひろみ, 吉崎(尾花) 由美子, 玉置 尚徳, 和田 浩二, 伊藤 清
    2011 年106 巻3 号 p. 157-163
    発行日: 2011年
    公開日: 2016/06/14
    ジャーナル フリー
    伝統的なミキは,奄美大島の自然飲料である。通常のミキは乳酸発酵が主体であり,酒類には該当しない。ミキのもろみに,焼酎酵母を仕込み初期から加えると,エタノールが生成し,酒類に該当した。しかし,発酵速度は遅く,発酵歩合も低かった。この理由として,糖化の主体が生イモ由来のβ-アミラーゼであり,生成糖のほとんどがマルトースであるためと考えられた。焼酎酵母は麦汁の発酵性が弱いために発酵が遅れると思われた。そこで,マルトースをグルコースに分解するために,焼酎麹を加えた。焼酎麹は多量のα-グルコシダーゼ等を含有するため,マルトースが効率的にグルコースに分解されると思われた。その結果,発酵が順調に推移した。糖組成の変化はHPLCで追跡したが,焼酎麹の添加により,グルコースの生成が認められた。焼酎麹の添加は,発酵歩合が向上する効果ももたらした。
  • 松原 英隆, 沖園 清忠
    2011 年106 巻3 号 p. 164-171
    発行日: 2011年
    公開日: 2016/06/14
    ジャーナル フリー
    焼酎香気成分の分析においては,溶媒で抽出した試料をGC-MSで分析することが多い。しかし,芋焼酎のGC-MSでは50以上のピークが検出されるため,高濃度成分のピークに隠れた低濃度成分のピークや分析感度が低い成分のピークは検出しにくいのが現状である。また,香気試験においては,抽出液をガスクロマトグラフで分離し,カラムから出てきた香気成分を香気試験で確認する方法がしばしば採用されるが,この際短時間に多くの香気成分が出てくるため分別確認は非常に困難である。そこで,著者らは,まず,抽出濃縮した試料中の香気成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分画し,それぞれの分画溶液についてGC-MS分析と香気試験を行う方法について検討した。その結果,以下のことが明らかとなった。
    (1) GPC溶出液を5ml毎に分画することによって,GC-MS分析の際のピークの重なりを最小限にすることができた。これによって,これまでのGC-MS分析では確認が困難であったダマセノン,シトロネロール,ゲラニオールおよび2,3-ジヒドロ-トランス-ファルネソールを単独ピークとして検出できた。
    (2) 香気成分を分画分取して保存可能なものとすることにより,GC-MSピークと特徴香気との関連について調査することが容易になった。
    本研究で香気試験結果と香気成分濃度との関連について検討したところ,GPC分画溶液で最初に感じた香気にはカプリル酸エチルやカプリン酸エチル等の直鎖型脂肪酸エチルエステル類,2種類目の香気には酢酸イソアミル,3種類目の香気には芋焼酎特徴香気成分のダマセノンとファルネソール,4種類目の香気にはイソアミルアルコール,5種類目の香気にはβ-フェネチルアルコールがそれぞれ関与していることが推察された。したがって,これらの成分が主体となって芋焼酎の香気を形成していると思われる。
feedback
Top