日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
106 巻, 9 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
解説
研究
  • 宮川 博士, 河野 邦晃, 藤原 誉司, 岩井 謙一, 奥野 博紀, 森村 茂, 木田 建次, 高瀬 良和
    2011 年106 巻9 号 p. 611-619
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/27
    ジャーナル フリー
     長期間にわたる差しもと試験および焼酎粕を使用した返し仕込みによる芋焼酎製造試験をミニプラントで実証した。得られた結果を以下に要約する。
    (1)差しもと後3時間目から6時間,通気・攪拌(0.1 vvm,200 rpm)することにより酵母のトレハロース含量を高く維持でき,結果として酵母の活性を高く維持できることがわかった。
    (2)長期間の差しもとを伴う二次仕込みでの最終醪のエタノール濃度は13.1-13.8%であった。常圧蒸留して得られた焼酎の低沸点香気成分は従来法のものと大差なかったが,中高沸点香気成分は高級脂肪酸エチルエステルがやや多くコクのある焼酎であった。
    (3)常圧蒸留した焼酎粕を用いて返し仕込みを行った結果,最終エタノール濃度は11.9-12.1%に達した。この値は従来法の値と比較して若干低かったが,醪酸度や揮発酸度,生酸菌反応の結果から問題はないことがわかった。返し仕込みの最終醪を常圧蒸留して得られた焼酎は,従来法と比較して高級脂肪酸エチルエステルが多く味にコクが付与されたものであった。一方,減圧蒸留で得られた焼酎は,高級脂肪酸エチルエステルの生成は抑えられており,すっきりした味わいの焼酎であった。
    (4)12名のパネラーによる官能試験を行った結果,最も評価が高かった焼酎は,返し仕込みの常圧蒸留酒でスコアは1.87であった。甘味があり従来法と比べてコクがあり芋らしいという評価を得,品質的にも優れた製品であることがわかった。
    (5)使用した酵母は,差しもとを長期間にわたり繰り返しても,またその焼酎粕を用いて返し仕込みを行っても,NTS領域の7箇所の塩基配列が完全に一致したことから,変異が生じたり,蔵付き酵母に置き換わった可能性は少ないと考えられた。
  • 片岡 皆人, 齋藤 高弘, 岡本 竹己, 佐々木 隆浩, 星 佳宏, 杉江 正美, ?原 昌司, 志賀 徹
    2011 年106 巻9 号 p. 620-626
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/27
    ジャーナル フリー
     蛍光分光法による麹菌活性評価技術の開発を目的に,麹菌を測定するのに適した励起波長と検出波長を選定し,麹菌体量,酵素活性との関係を検討した。その結果,麹菌を測定するには励起波長410nm,検出波長630nmが最適と判断された。殺菌した米麹からは蛍光のピークが消失したため,この蛍光は菌の活性に由来するものと考えられた。また,本手法は米麹の培養と共に変化する含水率やグルコース濃度の影響を受けない事が明らかになった。
     蛍光強度は,麹菌体量や酵素活性と高い相関が得られた。このように,蛍光強度は麹菌体量,α-アミラーゼ活性,酸性カルボキシペプチダーゼと類似した値の推移を示し,非破壊・非侵襲,かつ迅速に麹菌の繁殖過程のモニタリングに適用可能であることが認められた。
feedback
Top