久留米椿「正義」からの酵母の分離および同定,さらにはセルレニン耐性株の選抜により得られた酵母を用いて米焼酎の実用化検討を試みた。
耐酸性,耐エタノール性等の特性を用いて椿生息酵母の集積培養を試みた。分離した酵母の醸造適性および官能評価からQ 20株を最終選抜した。この株のTTC染色および26S rDNAのD1/D2塩基配列解析により
Saccharomyces cerevisiaeの野生株であると推定した。セルレニン耐性能を付与して得られたQ 20-19株は親株(Q 20株)の2倍程度のカプロン酸高生産能を有しており,ダイアセチル香の生産能も少ないことから,本株を用いた実用化検討を行った。酒質は「吟醸香が高く,まろやかな口当たり」であることから,この酵母を用いた,米焼酎の商品化を行うことにした。
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