日本醸造協会誌
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107 巻, 2 号
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解説
研究
  • 川上 晃司, 三上 隆司, 小林 信也, 瀬戸 富央, 山根 健, 山根 雄一, 大土井 律之, 谷本 昌太
    2012 年 107 巻 2 号 p. 125-133
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    無洗米の実用規模での醸造適性を評価する目的で,精米歩合50%の無洗米を用いて酒造メーカー3社で試験醸造を実施し,製麹特性,もろみ経過,製成酒の成分および酒質を未処理の白米を用いたものと比較した。
    1.製麹試験の結果,平成19酒造年度の菌体量において,無洗米を使用した麹と未処理の白米を使用した麹の間で有意差が認められたものの,平成19酒造年度の酵素活性および平成20酒造年度の酵素活性,菌体量ともに有意差は認められなかった。
    2.もろみ経過において,無洗米処理の有無でもろみ日数の長短に一定の傾向は認められなかった。
    3.製成酒の一般成分,歩合,香気成分ともに,無洗米と未処理の白米の間で有意差は認められなかった。
    4.製成酒のグルコースは,無洗米を使用した場合に若干低くなった。
    5.官能評価の結果,平成20酒造年度のB社において,製成酒の味の評価で無洗米と未処理の白米の間で有意差が認められたものの,その他は同等の品質であった。
    以上の結果より,無洗米処理は実用規模においても,製造工程を省力化して環境負荷を低減すると同時に,高品質な清酒の醸造を可能とする技術であることが示された。
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