日本醸造協会誌
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108 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
解説
  • 篠原 成行
    2013 年 108 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
  • 蓮尾 徹夫
    2013 年 108 巻 1 号 p. 2-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    國酒(日本酒・本格焼酎&泡盛)の国内での課税移出数量は年々減少している。中でも日本酒は最高課税数量の半分以下に減少している。一方でわずかではあるが,日本酒は約2.5%が本格焼酎&泡盛は1%程度が輸出されている。
    この時期に「國酒を楽しもう協議会」の第4回会合が平成24年9月に開催され,同協議会としての提言がとりまとめられ,久保田紀久枝座長から国家戦略担当大臣に手渡された。
    また,同会合終了後に国家戦略担当大臣による記者会見が開催され,今回の國酒の海外需要を捉えた輸出促進プログラム提言をもとに,本提言のスピード感ある実現・実行の意向を明らかにした。
    提言では,関係府省,日本貿易振興機構や国際観光振興機構等の関係機関,地方自治体,日本酒造組合中央会,関係府県単位等による酒造組合,酒造業者,流通業者,関係各種団体等が國酒の輸出に関し,果たすべき役割,実施すべきことについて,明確に指摘を行っている。各種機関等がすぐに実施されることを期待する。
    本稿では既にインターネット上でも公開されている「國酒を楽しもう協議会」の上記提言を紹介する。ぜひ参考にされたい。
  • ―黒茶と大豆食品を例に―
    中村 好志, 江崎 秀男
    2013 年 108 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    発酵食品における機能性成分の研究は幅広く行われているが,発酵茶についての機能性成分の研究は,これまであまり知られていない。本解説では,お茶の発酵食品として,わが国では馴染みが少ない中国の黒茶について製法,種類,微生物,抗酸化性,機能性成分の面から研究成果をわかりやすく,興味深く紹介していただいた。また,大豆発酵食品の抗酸化能について,測定方法と機能性成分であるイソフラボンの変換の関連をわかりやすく解説していただいた。本解説の著者は,発酵による食品の機能性成分の生成には,まだまだ知られていない部分が多くあることを述べている。
  • 黒瀬 義孝
    2013 年 108 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    小麦の赤かび病菌によるFusariumトキシン,特にデオキシニベレノール(DON)汚染は1.1ppm以下の暫定的規制値が日本において,ひかれている。小麦は醤油醸造において,大豆に次ぎ2番目に重要な原料であるので,DON汚染のない小麦を使用することは重要である。小麦が赤かび病に最も感染しやすい時期は開花期であるので,赤かび病対策は開花期における薬剤防除が基本である。そこで,著者に気象データから小麦赤かび病を適期防除するための開花期予測システムを解説いただいた。小麦生産者はこのシステムを用いて赤かび病汚染の少ない小麦を生産されることを期待する。
  • 池田 明子
    2013 年 108 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    筆者は著書「吟醸酒を創った男」で,この業界に知られる作家。北陸の古都・金沢に生まれ育ち,広島へ嫁いだのち,賴山陽に傾倒し著作も多い。「山紫水明」は山陽発明の語,山陽の晩酌は「酒に自分好みに水をブレンド」していた由。本解説を楽しく味わっていただきたい。
  • 大森 大陸
    2013 年 108 巻 1 号 p. 39-40
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
研究
  • 山本 英樹, 森村 茂, 水谷 政美, 山田 和史, 越智 洋, 高山 清子, 工藤 哲三, 太田 広人, 木田 建次
    2013 年 108 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    宮崎県内酒造場の焼酎もろみから分離した272株の野生酵母の中から選抜した優良酵母平成宮崎酵母(MF062)を用いて,実用規模での焼酎試験醸造を行った。7酒造場(芋焼酎3ヶ所および麦焼酎4ヶ所)で試験醸造を行った結果,一般成分および純アルコール収得量において,MF062は宮崎酵母(MK021)等の実用酵母を用いた場合と同等であり,十分な香味成分を生成することが分かった。また,MF062を用いて実用規模で5回の差しもとを行った場合でも安定した発酵を行うことができ,MF062は実用酵母と同様に差しもとを伴う焼酎製造が可能であることを確認した。さらに,MF062を用いて製造した焼酎の官能検査を行った結果,高い評価を得ることができた。官能評価と高級アルコールとの関係を調べたところ,A/PおよびA/(P+B)が小さい方が,官能評価が良好であることが分かった。このことはMF062製焼酎の成分組成の特徴と一致していた。したがって,MF062は高級アルコール等をバランス良く生成することにより焼酎の酒質の調和に寄与し,高い官能評価につながるものと考えられた。
    以上の結果から,MF062は優れた焼酎の醸造適性を有しており,実用化が可能であると考えられた。
  • 数岡 孝幸, 中田 久保
    2013 年 108 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    36種124点の花サンプルを分離源として用い,タンポポの花から清酒もろみで十分な発酵力を示す酵母TP1株を分離することができた。TP1株は,高いカプロン酸エチル生成能,高いクエン酸生成能,低いコハク酸生成能を有する酵母であり,TP1株を用いた製成酒は高A/B比,高MA/SA比を示した。これらの結果からTP1株は,既存の酵母とは異なる酒質の清酒を製造できる可能性を有する酵母でると考えられる。また,TP1株は高泡を形成せずTTC還元性Redであることから清酒製造に実用可能な優良株でると思われる。今後,特徴的な風味を形成できる実用酵母としてTP1株の清酒製造での利用が期待される。
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