日本醸造協会誌
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108 巻, 5 号
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解説
研究
  • 勝野 那嘉子, 藤村 誠, 石川 森夫, 貝沼(岡本) 章子, 福田 靖子, 小泉 幸道
    2013 年 108 巻 5 号 p. 361-367
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,脱脂ゴマ粉末を用いて,新しいタイプの食酢であるゴマ米酢を開発し,その食酢の品質特性について検討した。
    各種煎りゴマを用いた発酵試験では,脱脂黒ゴマ粉末を用いたゴマ米酢が最も酸の立ち上がりが良く,良質な酢であった。
    脱脂黒ゴマ粉末を用いて実生産規模でゴマ米酢を製造した。ゴマ米酢の品質を分析したところ,ゴマ米酢には遊離アミノ酸が多く含まれており,そのうち必須アミノ酸は22.5%であった。特にグルタミン酸とアラニンが多く含まれていた。有機酸の割合は,酢酸が94.7%で,その他の有機酸は,α-ケトグルタル酸,乳酸,ピログルタミン酸の順に多く含まれていた。
    リグナンの分析から,ゴマ米酢にはゴマ由来のリグナン配糖体STG,SDG2,SMGが含まれており,機能性ゴマリグナン含有酢として期待できる可能性がある。
  • 奥田 将生, 上用 みどり, 高橋 圭, 後藤 奈美, 高垣 幸男, 池上 勝, 鍋倉 義仁
    2013 年 108 巻 5 号 p. 368-376
    発行日: 2013年
    公開日: 2018/01/12
    ジャーナル フリー
    イネ登熟期が全国的に記録的な猛暑となった平成22年産米のデンプンの性質および蒸米の酵素消化性について検討した。これまでの報告から予測されるとおり,猛暑となった平成22年産米はデンプン糊化温度が高く,蒸米酵素消化性は気中放置により低下しやすかった。一方,同一県内で採取された試料でも,糊化温度と酵素消化性にバラツキがみられた。特に出穂時期が遅い試料は酵素消化性の低下がゆるやかであった。米粒のアルカリ崩壊性について観察したところ平成21年産米が大きく崩壊したのに対し平成22年産米はアルカリに抵抗性を示した。以上,平成22年のような記録的な猛暑であっても蒸米の酵素消化性が悪くこれまでの知見が適用できることを確認するとともに,アルカリ崩壊性により簡便にデンプンの性質を明らかにできる可能性が示唆された。
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