日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
109 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
解説
研究
  • -市販本格焼酎の分析-
    瀬戸口 智子, 神渡 巧
    2014 年 109 巻 1 号 p. 49-59
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/02/16
    ジャーナル フリー
    芋焼酎と黒糖焼酎について,これまで報告されていた高級アルコールやそのエステル類以外のさまざまな成分濃度を明らかにした。また,芋焼酎の成分分析値を基にヒストグラムを作成し原料や製法の違いについて検討した。
    1.芋焼酎は黒糖焼酎と比較してβ-フェネチルアルコール,酢酸イソアミル,酢酸β-フェネチル,フルフラール等の濃度が高かった。
    2.芋焼酎は黒糖焼酎よりもn-ブチルアルコール,アセトイン,アセタールなどの濃度が低かった。
    3.黄麹製品は芋焼酎全体と比べ紫外部吸収とTBA価が約2分の1と低く,イソブチルアルコールは約1.3倍高い値を示した。また乳酸エチルが10ppmを超える高濃度で存在する製品もあり,モロミへの乳酸添加の影響が考えられた。
    4.芋麹製品の平均値は芋焼酎全体の平均に対して,イソアミルアルコール,活性アミルアルコール,β-フェネチルアルコールでそれぞれ約1.2倍高く,3-エトキシ-1-プロパノールと2,3-ブタンジオールでは0.6~0.7倍と低い値を示した。また,カプロン酸エチル,カプリル酸エチル,カプリン酸エチルは芋焼酎全体より1.2~1.3倍高かった。
    5.減圧製品ではフルフラール,β-フェネチルアルコール,アセタール濃度が低く,かめ壷仕込み製品ではメチオノール濃度が芋焼酎全体の平均と比べて2.1倍高い傾向にあった。
feedback
Top