日本醸造協会誌
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109 巻, 4 号
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解説
研究
  • 高尾 佳史, 高橋 俊成, 溝口 晴彦
    2014 年 109 巻 4 号 p. 305-309
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/12
    ジャーナル フリー
    1)対照酒と比べて樽酒は,食品によってもたらされる口腔内の脂っこさを低減させる効果が高いことが,官能試験により明らかになった。
    2)この要因の一つとして,対照酒に比べて樽酒は油脂との間の界面張力が低く,油脂と乳化しやすいため,口腔内の油が洗い流されやすくなっていることが考えられる。
    3)樽酒と油脂の間の界面張力の低さは杉樽由来成分によってもたらされていると考えられたが,主要なセスキテルペン類やフェルラ酸にはそのような効果は認められなかった。
  • 上東 治彦, 加藤 麗奈, 森山 洋憲, 甫木 嘉朗, 永田 信二, 伊藤 伸一, 神谷 昌宏
    2014 年 109 巻 4 号 p. 310-317
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/12
    ジャーナル フリー
    発酵促進効果のあるチアミンを用いた吟醸酒小仕込み試験を行い,さらに実地醸造でのチアミン添加試験を行った結果,以下のような知見を得た。
    1.ピルビン酸の残存しやすいAC-95株を用いた小仕込み試験において,チアミンを原料米1トン当たり1 g添加することにより発酵が促進され,ピルビン酸もピーク時で約1/7まで減少した。また,酸度やアミノ酸度は減少し,香気成分は増加した。
    2.酒質を大きく変えることなくピルビン酸を低減させるためにはチアミン添加量は0.1~0.3 g/トン程度が適当であった。
    3.チアミンを含む発酵助成剤フェルメイドKの添加によりピルビン酸が減少するとともにアルコール収量は増加した。
    4.実地醸造においてチアミンを0.1~0.3 g/トン添加した結果,対照に比べモロミ中のピルビン酸が約半分に低下した。
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