7種の高温耐性米品種の酒造適性について,吟おうみ,コシヒカリおよびヒノヒカリを対照として比較検討した。
(1)高温耐性米品種は,全国的に記録的な猛暑となった2010年においても平均して高い整粒率を保ち,対照品種に比べ出穂後の高温による影響を受けにくい傾向があった。
(2)消化性分析において,高温年でBrix値の低下がみられた対照米品種に対し,高温耐性米品種ではBrixの低下はみられなかった。
(3)高温耐性米品種の酒造適性の傾向は品種によりそれぞれ異なり,また気温等の年度の差異が与える影響の強さも異なることが推察された。
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