日本醸造協会誌
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109 巻, 5 号
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解説
研究
  • 首藤 大比古, 藤原 久志, 北岡 篤士, 若井 芳則
    2014 年 109 巻 5 号 p. 379-388
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/12
    ジャーナル フリー
    7種の高温耐性米品種の酒造適性について,吟おうみ,コシヒカリおよびヒノヒカリを対照として比較検討した。
    (1)高温耐性米品種は,全国的に記録的な猛暑となった2010年においても平均して高い整粒率を保ち,対照品種に比べ出穂後の高温による影響を受けにくい傾向があった。
    (2)消化性分析において,高温年でBrix値の低下がみられた対照米品種に対し,高温耐性米品種ではBrixの低下はみられなかった。
    (3)高温耐性米品種の酒造適性の傾向は品種によりそれぞれ異なり,また気温等の年度の差異が与える影響の強さも異なることが推察された。
  • 伊藤 一成, 相澤 ゆかり, 辻 麻衣子, 三宅 剛史
    2014 年 109 巻 5 号 p. 389-396
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/12
    ジャーナル フリー
    米麹を用いたそやし水の製造では,前半は菩提もとのそやし工程とよく似ており,乳酸菌に必要最小限の糖を供給し先行増殖させ,速やかに酸性環境にして,細菌を減少させていた。そしてその後,酸性環境下で例えばLc. lactisからLeu. citreumへ主要菌叢の遷移が起こり,後半の乳酸生成をLeu. citreumが担うことでさらなる乳酸の蓄積を可能にしていた。これを達成するためには,米麹に存在する乳酸菌種を確認しておく必要がある。また,米麹に多い野性酵母の活動を最小限に抑えておくために,糖分を供給しすぎないように米麹の仕込み配合などを確認しておく必要もある。これらの条件が適合できれば,米麹を用いたそやし水の製造技術は,一般的に広く適応可能な有用技術になり得ると考えられた。
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