日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
109 巻, 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
解説
研究
  • 稲橋 正明, 戸塚 堅二郎, 相良 沙奈恵, 田中 裕三, 岡崎 直人, 石川 雄章, 佐藤 和夫
    2014 年109 巻8 号 p. 603-612
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
     我々は近年(1990年以降),蔵内酒を含む酒造場の各製造工程及び市販清酒から火落菌及び腐造性乳酸菌など各種乳酸菌の分離を試み,麹2点,醸造用水1点,酒母2点,もろみ7点,蔵内酒1点,市販酒11点の乳酸菌を分離した。これらは,麹から分離した球菌1点以外はすべて桿菌であった。発酵型は,ホモ13点,ヘテロ11点で,分離された菌の約60%は10%エタノール含有培地で生育した。また,検出閾値以上のジアセチルを生成するものは約1/3に過ぎなかった。
     リンゴ酸高生産酵母による清酒のMLFによる呈酸味性の改善に使える可能性のある菌として,山廃仕込みによる醪から分離したNo. 8を選抜した。本菌は16SrRNAの塩基配列の相同性から,Lactobacillus paracaseiであると同定された。
  • 橋口 知一, 伊豆 英恵, 松丸 克己
    2014 年109 巻8 号 p. 613-617
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
     ヒトに対する発がん性が指摘されているカルバミン酸エチルは,酒類等の発酵食品に広く含まれている。梅酒にもカルバミン酸エチルは含まれており,その低減法の開発は必要であると考えられる。梅酒におけるカルバミン酸エチルの前駆体は,シアン化水素とされていることから,ソーダ石灰を梅酒浸漬時の密閉した空間部に配置することにより,シアン化水素を除去し,カルバミン酸エチルを低減することを検討した。
     梅酒の仕込時に空間部にソーダ石灰を配置し,30℃暗所で浸漬中の梅酒を3ヶ月撹拌した後,30℃暗所で撹拌せずに5ヶ月間浸漬を行った。カルバミン酸エチルは,対照の梅酒が0.27 mg/Lであるのに対し,撹拌した梅酒では0.08 mg/L(300 rpm, 100 rpm)と70%減少した。梅酒の一般成分の分析値は,OD430を除いては対照と大差がなく,官能評価結果についても,大差は見られなかった。
     製成した梅酒を,さらに30℃暗所で9ヶ月貯蔵したところ,カルバミン酸エチル濃度は,0.13 mg/L(300 rpm),0.15 mg/L(100 rpm)となり,対照0.50 mg/Lと比較して74%(300 rpm),70%(100 rpm)低い値であった。
feedback
Top