ヒトに対する発がん性が指摘されているカルバミン酸エチルは,酒類等の発酵食品に広く含まれている。梅酒にもカルバミン酸エチルは含まれており,その低減法の開発は必要であると考えられる。梅酒におけるカルバミン酸エチルの前駆体は,シアン化水素とされていることから,ソーダ石灰を梅酒浸漬時の密閉した空間部に配置することにより,シアン化水素を除去し,カルバミン酸エチルを低減することを検討した。
梅酒の仕込時に空間部にソーダ石灰を配置し,30℃暗所で浸漬中の梅酒を3ヶ月撹拌した後,30℃暗所で撹拌せずに5ヶ月間浸漬を行った。カルバミン酸エチルは,対照の梅酒が0.27 mg/Lであるのに対し,撹拌した梅酒では0.08 mg/L(300 rpm, 100 rpm)と70%減少した。梅酒の一般成分の分析値は,OD430を除いては対照と大差がなく,官能評価結果についても,大差は見られなかった。
製成した梅酒を,さらに30℃暗所で9ヶ月貯蔵したところ,カルバミン酸エチル濃度は,0.13 mg/L(300 rpm),0.15 mg/L(100 rpm)となり,対照0.50 mg/Lと比較して74%(300 rpm),70%(100 rpm)低い値であった。
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