サツマイモ焼酎の冬虫夏草スピリッツ(SCS)は,ミリタリス冬虫夏草子実体をサツマイモ焼酎に浸漬させることより作製した。HP20,SephadexG-25,HPLC(C-18)により得られたSCSの画分について,ヒト大腸癌細胞(HCT-116)の増殖抑制能及びアポトーシス誘導能の解析並びにその活性成分の同定を行った。
①SCSから分画されたFraction 1C-ⅢがHCT-116細胞の増殖に対して,各画分の中で最大の抑制効果を示し,そのIC
50値は1.84 μg/mlであった。
②Fraction 1C-Ⅲが4.0 μg/ml,48時間でHCT-116細胞のDNA断片化,カスパーゼ-3の活性化及びPARPの開裂を誘導し,癌細胞のアポトーシスを引き起こした。
③HPLC,FT-IR及びNMRの測定によりFraction 1C-Ⅲの主成分はコルジセピンであることを明らかにした。
以上の結果から,SCS中の主成分コルジセピンは,ヒト大腸癌細胞HCT-116のアポトーシスを誘導し,癌細胞の増殖を抑制することが明らかとなった。
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