冬虫夏草子実体をサツマイモ焼酎に浸漬させ,サツマイモ焼酎の冬虫夏草スピリッツ(SCS)を作製した。HP20,Sephadex G-25,HPLC(C-18)等の分画法でSCSを画分し,ヒト急性前骨髄性白血病細胞(HL-60)の増殖抑制作用及びアポトーシス誘導作用の検討並びにその活性成分F1C-Ⅲの同定を行った。
1.SCSから得られた各画分のHL-60細胞増殖に対する抑制効果を探索した結果,F1C-Ⅲが最大の癌細胞増殖抑制効果を示し,そのIC50値は1.1 μg/mlであった。
2.F1C-Ⅲは,HL-60細胞のDNA断片化,caspase-3の活性化及びPARPの開裂不活性を誘導し,癌細胞のアポトーシスを引き起こした。HL-60細胞をAnnexin V-FITC及びPIで二重染色し,フローサイトメトリーで解析した結果,F1C-Ⅲを4.0 μg/mlで24時間処理した細胞では,コントロール細胞に比べ4.9倍アポトーシスが誘導された。
3.LC/MS-IT-TOF測定によりF1C-Ⅲの主成分はコルジセピンであることを明らかにした。
以上の結果から,SCS抽出物の主成分コレジセピンは,ヒト急性前骨髄性白血病細胞HL-60にアポトーシスを誘導し,癌細胞増殖を抑制することが明らかとなった。
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