市販されている芋焼酎と黒糖焼酎の微量香気成分を分析し,原料や製法の違いが微量香気成分の濃度に影響することを明らかにした。
1.25%エタノール水溶液における弁別閾値は,「らっきょう・たくあん・硫黄的」の香りがするDMDSが10μg/L,「たくあんの匂い」のDMTSが0.25μg/L,「青葉」と表現されるヘキサナールが24μg/Lであった。
2.芋焼酎における平均OAVは,リナロールが2,ローズオキサイドが11,β-ダマセノンが3,DMDSが11,DMTSが33,ヘキサナールが3であった。
3.黒糖焼酎において,甘い香りを持つβ-ダマセノンの存在を初めて確認した。
4.芋焼酎のヒストグラムから,以下のような原料・製法と微量香気成分濃度の関係がみられた。
・黄麹製品群はリナロールのヒストグラムの低濃度側に位置した。
・芋麹製品群はMTA,ローズオキサイドおよびβ-ダマセノンの高濃度側に,DMDSとDMTSの低濃度側に分布した。
・紫芋製品群はシトロネロール以外の成分が芋麹製品群と同じ傾向を示した。
・かめ壷仕込み製品群はDMDSとDMTSの高濃度側に存在した。
・減圧蒸留製品群は微量香気成分すべての低濃度側に分布した。
・貯蔵製品群はβ-ダマセノンの低濃度側に位置した。
・原料や製法の影響を最も強く受けた成分はリナロールとβ-ダマセノンであった。
5.芋焼酎のヒストグラムにおいてDMDSはOAVが1~56,DMTSはOAVが0~155とどちらも幅広くかつ外れ値もなく分布したことから,DMDSとDMTSは芋焼酎の酒質の多様さに関与する重要な成分と考えられる。
6.ヘキサナールは芋焼酎に含まれる濃度において油臭と認識されなかった。
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