日本醸造協会誌
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111 巻, 6 号
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解説
研究
  • 宮川 博士, 鈴木 恵利香, 小境 敏揮, 河野 邦晃, 岩井 謙一, 高瀬 良和
    2016 年 111 巻 6 号 p. 405-411
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/07/13
    ジャーナル フリー
    芋焼酎醪中の乳酸菌の分布を確認し,単離株の生理学的性質を調査した。また,特徴ある乳酸菌を利用して実際に芋焼酎の小仕込み試験を行なった。得られた結果を以下に要約する。
    (1)通常の芋焼酎醪中にも乳酸菌が生息しており,二次2日目に103~105 CFU/mlと最も多く,エタノール発酵が進むに従い菌数も減少していくことが分かった。
    (2)72株の乳酸菌を単離した。そのうち24株がL. plantarum,23株がL. fermentum,21株がL. caseiグループと相同性が高かった。
    (3)通常発酵醪中にはクエン酸資化能の高いL. fermentumはほとんど生息していないことが分かった。
    (4)クエン酸資化能の高い乳酸菌を利用した芋焼酎の小仕込み試験を行なったところ,L. fermentumでは揮発酸度が大きく上昇し,腐造が確認された。L. caseiグループにおいては乳酸菌由来成分を含む芋焼酎を製造することが可能ということが分かった。
  • 安澤 義彦, 鷲頭 啓介, 宮内 英昭, 廣川 豊一, 中村 諒, 佐藤 謙仁
    2016 年 111 巻 6 号 p. 412-419
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/07/13
    ジャーナル フリー
    (1)清酒醸造において,精米は製成酒の酒質に影響を与える重要な工程の一つである。特に,大吟醸や吟醸酒などの高品質清酒醸造に必須な高度精白米のための精米では,一般的に原形精米が求められる。精米プログラムの変動因子は,ロールの回転数,排出口の圧力,そして使用電流値であるが,今回,ロールの回転数のみを変動因子とし,二つのProgram(P1及びP2)を設定し,両者の比較を行った。その結果,P2は,P1と比較し白米の長さ方向の削減率が小さく(白米の長さが大きい),一方,厚さ方向の削減率は大きいことから(白米の厚さが小さい),原形精米に近い精米プログラムであることが確認された。
    (2)使用した越淡麗及びたかね錦の精米特性の比較では,越淡麗が砕粒歩合及び無効精米歩合が低く,かつ,原形精米に近い白米を得た。
    (3)玄米と白米の形状測定による斎藤らの原形精米評価法は,自家精米のみならず委託精米での白米の品質管理(白米取引上の規格評価など)に活用可能な有効手段であると考えられた。
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