1) 酒造用原料米中のタンパク質をSDS-PAGEにより分画後, デンシトメーターを用い定量する方法を試み, 標準タンパク質Carbonic Anhydraseにより0.1~1.0mg/mlの範囲で積分値との間に直線性が認められるとともに, 実際の白米においても, Protein bodyを構成する含有量の多いタンパク質バンドは精度良く定量できた。
2) 精米歩合70%(見かけ精米歩合) の平成元年度酒造原料米65品種101点のPB-I, PB-IIの全タンパク量に占める割合は, 平均でそれぞれ22.9%と55.6%であり, PB-IとPB-IIの比は, 約1: 2.4であった。
3) 原料米中のPB-IとPB-IIの含有量は精米歩合の低下とともに減少するが, その比はほとんど一定であった。
4) 各組成タンパク質含量をもとに主成分分析した結果, 山田錦はタンパク質量が少ない, 五百万石はPBII/PB-Iの値が高い傾向にある等, 酒造原料米の品種を米タンパク質の組成面からも特徴づけられた。
最後に, 貴重な白米試料を頂きました全国国税局鑑定官室の方々に深謝いたします。
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