醤油麹の原料のうちで妙煎割砕小麦を高タンパク質食品原料へ代替させることにより, その高温自己消化物を食品製造用の新しい中間調味料を造る目的で本研究を行った。
1. 高タンパク質食品原料を使た麹の自己消化物濾液の全室素量はいずれも通常の醤油用麹の自己消化物濾液中のそれより高かった。
2. 小麦グルテンを用いて造った麹を55℃ で48時間自己消化させて得た自己消化物濾液が全窒素量では最も高かった。しかし窒素溶解利用率は最も低く, 還元糖は検出できなかった。
3. 小麦グルテンを用いて造った麹を60℃ で48時間, 食塩1.88g/d
lの存在下で自己消化させて得た自己消化物濾液は, 全窒素量およびアミノ酸化率 (FN/TN), が55℃, 48時間処理のものに比べて低かった。
4. タンパク質含量が比較的高い原料を使って得た麹の自己消化物には酸が多く不快臭があった。自己消化物あるいはその濾液を食品製造用の新しい中間調味料とするには, 製麹段階を含めてさまざまな技術改良が必要であることが示唆された。
終りに, 本研究を行うにあたり積極的にご支援を賜わった武田食糧 (株) 武田辰男会長, 武田与信社長, 武田与光副社長および故市川芳男専務に深謝致します。また本研究の発表を許可された同社役員各位に, また討論に参加して下さった志村嘉久氏, 小野賢一氏, 二宮英夫氏に謝辞を呈します。
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