清酒の多様化, 原料利用率の向上, 副産物利用の改善を目的に酒造副産物を原料として人工米を製造した。この米を用いる自動製麹を目指して好ましい原料組成, 形状, 最適培養条件を検討した。酒粕を混合したものが菌の生育状態, 酵素生産が良好で本麹は標準力億に比ベアミラーゼ4倍, プロテアーゼ5~6倍と高く, 麹使用量の減少, 製麹時間の短縮が可能であると考えられた。試験醸造では力価と酒粕の成分により醪期間が短く, 酒質は淡麗であり, 着色の違いはみられなかった。
なお, 本研究の概要は平成3年度日本醸造学会大会において発表した。
最後に米試料を製造して頂いた日本食品化工株式会社に厚く御礼申し上げます。また, 本研究遂行に当たり御協力賜りました, 日本酒造組合中央会, 本学農学部醸造学科教授小泉武夫博士に深謝致します。
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