酸性カルボキシペプチダーゼ生産性の高い
A.oryzaeとα-アミラーゼ生産性の低い
A.sojaeを用いて異種間プロトプラスト融合により, 両菌株の特徴を持つ融合株が取得できた。融合株の中に2倍体の緑色株が存在し, この緑色株をベノミル処理して半数体化株を取得した。
緑色株及び半数体化株は分生子表面や分生子柄壁の形態で
A.oryzaeの性質を, 麹酸の生産やα-アミラーゼ生産性の生理的性質で一部
A.sojaeの性質を示していた。
緑色株及び半数体化株は三角フラスコ培養麹, 小型通風麹の酸性カルボキシペプチダーゼ活性が
A.oryzaeに近く, α-アミラーゼ活性が
A.oryzaeより低下していた。さらに, 半数体化株は遺伝的にも安定で, 醤油醸造用種麹の性質も十分具備し, 工業規模での醤油醸造用に使用可能であった。
終わりに臨み, 実験を御指導頂きました東京大学教授別府輝彦先生に厚く御礼申し上げます。
本報告の概要は平成2年度日本醸造学会大会で発表した。
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