(1) 異なる培養温度やアルコール存在下で, 脂肪酸を含まない培地で清酒酵母を培養し, その増殖や細胞膜中の脂肪酸組成の変化を調べた。
(2) 5, 10, 15, 30℃ で培養した協会7, 10, 11号酵母のいずれも高温ほど増殖は盛んで, 主要膜構成脂肪酸はC
16: 1, C
16: 0, C
18: 1, C
18: 0で, 不飽和脂肪酸が70~90%を占めた。培養温度により, 脂肪酸量, 各脂肪酸量には変動が見られたが, 不飽和脂肪酸構成比の変動は小さかった。
(3) アルコールを含む培地では, いずれの酵母も増殖が低下し, 10℃ での増殖限界濃度は協会11号酵母が12%, 他は10%であり, 15℃ ではより良好な増殖が見られた。10℃ の協会7号酵母を除いて, いずれの膜脂肪酸量, 構成各脂肪酸量はアルコール濃度の増加に伴い, 大きく減少したが, 不飽和脂肪酸構成比は70~80%に保たれ, 膜の流動性がほぼ一定に保持されていると思われる。
(4) アルコール10%を含む培地で培養した酵母をアルコールを含まない培地に接種して, 継代培養するに従って増殖は低下し, 膜脂肪酸量は激減し, アルコール存在下で培養することにより, 酵母の脂肪酸合成能が損傷を受けたと考えられる。
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