1.精米歩合95, 85, 75, 65%に相当する糠と酵母と水のみで,アルコール発酵をさせることが出来た。これを糠酒と呼ぶこととしたが,精白度の低い糠酒は,アルコール分が低く,酸度,アミノ酸度とも高く官能的にも糠臭,酸臭が強かった。65%区分の糠酒(汲水歩合300%)は,アルコール分6.1%,酸度2.6,アミノ酸度0.1で,やや酵母臭様の香りがあるのが飲用に供し得た。また, 65%区分の白糠を使用し(汲水歩合150%),酵母添加量と乳酸添加量を増加させた糠酒は発酵の立ち上がりが促進され,アルコール分は9.8%となった。
2.糠の澱粉価は, 95%区分の糠で26.8と低く, 65%区分の糠で71.0であったが, 70%白米(山田錦)の76.0より低かった。DSC分析を行って,α化に必要な転移熱量を糠,白米,α化米とで比較したところ,糠はα化米と同様小さく,α化していることが確認できた。
3.各区分の糠の糖の生成力を簡易に調べたところ,精白度の低い区分の糠ほどその力が強いこと,また,各区分の糠は,いずれもD-グルコースの生成量がマルトースの生成量より多いことがわかった。還元糖の生成量で,糠と麹(70%)の糖の生成力を比較したところ,糠は麹の1/7~1/75程度であった。
以上から,糠は糠酒の澱粉質原料であると同時に,これを糖化する酵素源にもなっていることが分かった。
最後に,DSCの分析に協力頂きました当所原料研究室の荒巻主任研究員と,各区分の糠を提供して頂きました(株)佐竹製作所に深謝致します。
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