1:麹エキス培地における単行発酵では既報の発酵温度によるアミノ酸組成の変化がないことに加え,SAM蓄積量も差異はなく,酵母自体が,低温下に置かれることは,低温醪でのSAM蓄積の直接の要因ではないことが明らかとなった。
2:温度差による蒸米からの各アミノ酸の供給に変化がないことを無発酵系で現象的に確認した。
3:酒母のタイプまたは酒母のアミノ酸組成が異なっても低温製成酒にはリジン,メチオニンが構成比として低く前報の再現性が確認できた。同時に低温醪ではSAMが菌体内に約2倍量蓄積され菌体内に含硫物が高蓄積されており,酒母タイプまた異なる酒母で育成された酵母でもこれら条件に依存せずに温度とアミノ酸組成,菌体内含硫物傾向に共通性が確認できた。
4:麹歩合を低減した条件,更には系を単純化し,蒸米と酵素剤で調製した醪でも同様の傾向が認められたことから,これら含硫物の特徴的動向は,並行発酵にのみ特徴的であり,麹不使用でもモデル的に再現できることが明らかとなった。
5:一定温仕込では,醪初期に昇温経過をとった条件よりも,SAM蓄積量の差が顕著であり,仕込初期の昇温経過により酵母が低温下にあることとの関与が示唆された。
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