日本醸造協会誌
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94 巻, 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 杉山 晋一
    1999 年 94 巻 10 号 p. 779
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 久慈 修司
    1999 年 94 巻 10 号 p. 780-785
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    杜氏に頼らない酒造りに踏み出す蔵元が年々増えているが, 小さな蔵では杜氏の仕事の少なくも一部は経営者自らが肩代わりせざるを得ない。
    仕込み計画, 進行管理, 日常の労務管理など雑多な仕事に経営者が疲れきってしまわないよう, パソコンを上手に活用して負担を減らしその分本来の経営活動に集中しましょう, という筆者の一文である。
  • 尾形 智夫
    1999 年 94 巻 10 号 p. 786-791
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    現在のビールは熱処理を施さないビールが主体となり, 品質を保持するため溶存酸素濃度を低下させたりしている。このため, これまでビールを混濁・変敗させる有害菌として, 乳酸菌などの嫌気性菌と野生酵母が挙げられてきたが, 微生物管理もこれらの有害菌に加えて, 偏性嫌気性の新属新種の菌にも管理が要求されることとなってきている。本稿では, ビール有害菌の検出方法について, 検出培地による方法とともに, 分子生物学的な方法について解説していただいた。
  • カルシウム吸収促進効果
    多山 賢二, 西澤 直行
    1999 年 94 巻 10 号 p. 792-796
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    従来, 食酢がカルシウムの吸収を促進すると言われていたが, ラットを使い, 食酢と同時にカルシウムを与えるとその吸収が促進され, さらに食酢の主成分である酢酸も同様の効果を有することを動物実験で明らかにした。
    さらにカルシウムの大腿骨への蓄積量, 骨形成・吸収マーカーなどの測定結果から食酢とカルシウムの関係の全容を解説していただいた。
  • 酸・アミノ酸が少なく, 口当たりのなめらかな淡麗タイプ
    小野 玄記
    1999 年 94 巻 10 号 p. 797-803
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成7酒造年度から全国発売されている14号酵母 (金沢酵母) は, 全国各地の蔵元で幅広く愛用され, 上々の評判を得ている。最近, 省力化などの労働問題から, 泡なしタイプの金沢酵母を要望する声が上がってきた。既に, 金沢局の鑑定官室と北陸酒造技術研究会酵母部会が中心となり, 泡なし酵母の分離が行なわれ, 管内製造場で, 3酒造年度に渡り試験醸造が行なわれた。従来の金沢酵母と遜色がない良好な結果を得たので, 本年度より全国に配布されるはこびとなった。本稿は新しく本酵母を使用されるメーカーのため, その特徴と仕込み上の留意点, 製成酒の酒質などについて解説していただいた。
  • 横山 直行
    1999 年 94 巻 10 号 p. 804-811
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    地ビール先進国の一つであるベルギーのビール事情及び食事情について解説していただいた。
    筆者の表現力で思わず唾液を飲み込む読者も多いと思われる。本稿は読後に海外旅行先を発見していただくための解説でもある。
  • 岡本 匡史, 山内 徹, 矢野 駿太郎, 黒瀬 直孝, 川北 貞夫, 高橋 康次郎, 中村 輝也
    1999 年 94 巻 10 号 p. 827-832
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    (1) 清酒中の溶存酸素の保存中での消費速度はビンの色によって異なり, 無色透明ビンのような光透過量の多いビンに詰めた清酒の溶存酸素は速く消費された。
    (2) 光透過量が多い容器では, 溶存酸素を低減させることにより日光着色を顕著に抑制できた。しかしながら, 日光臭が強く発生して品質が悪くなった。
    (3) 光透過量の少ない褐色ビン, 黒色ビンおよび緑色ビンの場合, 初発の溶存酸素濃度が従来清酒と同程度 (3.2ppm) であれば, 保存中に老香, 雑味, 着色が増加した。また, 低すぎる (0.7PPm) と苦味, えぐ味および日光臭が発生した。これらの結果から, その間の溶存酸素濃度の中に品質維持に最適な濃度が存在するものと考えられた。
    (4) 最適な溶存酸素濃度は褐色ビンと黒色ビンでは2.0 ppm前後, 緑色ビンでは2.0 ppmよりも高いところにあり, この溶存酸素濃度に清酒を調整して詰口を行うことによって, 詰口時の品質を流通段階で長く維持できると考えられた。
  • 鈴木 昌治, 谷垣 元揮, 長野 晃弘, 藤本 尚志, 高橋 力也
    1999 年 94 巻 10 号 p. 833-839
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    糖蜜アルコール蒸留廃液 (蒸留廃液) 中の糖蜜色素に対して脱色活性を発現するLactobacillus casei SM3の最適脱色反応条件と脱色特性を調べ, 脱色菌としての能力を評価した。本菌は, 0.5%(w/v) のグルコースを含む色度12,000の蒸留廃液中の糖蜜色素を, 30℃, 24時間の半嫌気培養により約30%脱色した。この脱色は, 糖蜜色素分子の高分子量領域 (分子量として10,000以上の区分) に分布している色素物質に対する脱色反応に基づくものであった。一方, 低分子量領域 (分子量として10,000以下の区分) に分布している色素物質は, ほとんど脱色されなかった。
  • 上東 治彦, 中村 幸生, 森山 洋憲, 溝渕 正晃, 菅野 信男, 永田 信治, 味園 春雄
    1999 年 94 巻 10 号 p. 840-848
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    高知県で育成された酒造好適米品種「吟の夢」について, 高知県産「山田錦」を対照として酒造適性試験, および醸造試験を行った結果, 以下のような知見を得た。
    (1) 吟の夢は, 山田錦に比べ稈長が17cm程度短く, 耐倒伏性やイモチ耐病性には中程度の強さを示す。山田錦対比119%の多収であり, 心白発現率は75.3%と高い。
    (2) 70%精白米の酒造適性試験では, 吟の夢の玄米千粒重は25.0gと山川錦より1.6g程度小さいが, 20分および120分吸水性ともに山田錦より高く, 消化性のBrix, フォルモール窒素は山田錦とほぼ同程度, 粗タンパク含量は吟の夢が4.32%と山田錦よりやや低かった。
    (3) 吟の夢と山田錦の老化の起こり易さを比較した結果, 吟の夢が老化しやすかった。
    (4) 40%精白米の小仕込試験においては, 吟の夢の精米時間は短い傾向を示したが, 無効精米歩合や白米の粒度分布の変動率は山田錦とほぼ同じであった。40%精白米の粗タンパク含量およびPB-II/PB-I比は吟の夢が山田錦より低かった。製成酒では吟の夢は山田錦より日本酒度の切れ, アルコール生成が良好であり, 酸度, アミノ酸度, 紫外部吸収は低くて, 官能評価も良好であった。
    (5) H 10 BYの吟の夢の実地醸造では, 吟の夢の白米千粒重は対照品種より小さかったが, 粗タンパク含量は対照品種より低いものが多く, 兵庫県産山田錦とほぼ同等であった。製成酒のアミノ酸度は, 対照品種と同等であった。
  • 岡田 俊樹, 前田 安彦, 金内 誠, 角田 潔和, 鈴木 昌治, 小泉 武夫
    1999 年 94 巻 10 号 p. 849-852
    発行日: 1999/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    青ヶ島の芋焼酎製造に用いられる粉状麹の諸性質を調べた。
    (1) 粉状麹の製麹過程中の水分含量の変化は, 引込み時に45.0%であったものが, 7日目の出麹時は, 32.0%まで減少した。これは, 一般的な散麹の値より10%程度高かった。
    (2) 粉状麹の製麹中の酸度は, 出麹まで増加し続け, 4.0meに達した。これは, 一般的な焼酎用麹の酸度よりわずかに低いものであった。
    (3) 粉状麹の出麹時の各種酵素力価は, AAは1, 100U/g・麹, GAは260U/g・麹であり, 白麹菌を用いて製麹した焼酎用麦麹と比べて, AAで約12倍, GAで約1.4倍高かった。APは11,900U/g・麹で, 焼酎用麦麹と同等であり, ACPは9, 800U/g・麹で, 約3倍高い値を示した。また, 耐酸性α-アミラーゼは530U/g・麹だった。
    (4) 粉状麹の製麹過程中の細菌酸度は, 製麹開始後, 4日目に3.1meに達したが, その後減少し, 出麹時は2.4meだった。これは, 一般的な散麹の値より高い値だった。
    以上の結果より, 青ヶ島の芋焼酎製造に用いられている粉状麹は, 酸度が高いことや各種の酵素力価より, 焼酎用麹として十分な品質を有していることが明らかとなった。
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