日本醸造協会誌
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95 巻, 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 林 和也
    2000 年 95 巻 12 号 p. 849
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 山本 祥一朗
    2000 年 95 巻 12 号 p. 850-855
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    景気が上向きのきざしがみえたといわれるが, その動向を端的に示すものとして, 百貨店での売上げがニュースで報道される。対前年比で消費がどのていど伸びたか減少したかが, 景気動向のひとつの目やすともなっているのである。
    ところで, 東京の酒市場は, ある意味でわが国の酒消費の縮図的な一面があり, それだけに百貨店の荷動きは注目に値する。以下は最近の東京の百貨店での酒売場の模様を, 日本酒を中心にレポ地トしたものである。
  • 宮島 豊
    2000 年 95 巻 12 号 p. 856-866
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    従来, 日本のビールの大部分が含まれる下面発酵ビ地ルでは, 通気した冷麦汁ヘビール酵母を添加してアルコール発酵を起こさせ, 麦汁中の発酵性糖の大部分をエタノールに変える “発酵” と, 発酵の終わった発酵液を熟成し嗜好性のある飲料に仕上げる “貯酒” の2つに分かれていた。しかしながら近年, 香味の熟成に関する研究成果と, 技術革新による発酵・貯酒タンクの大型化・自動化により2つの役割を従来通りには考えない醸造方法が一般化してきている。
  • キチンの合成・分解から見た機構解析
    堀内 裕之
    2000 年 95 巻 12 号 p. 867-877
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    糸状菌の細胞壁を構成する主要な構成成分は, 子嚢菌類および坦子菌類ではキチンとグルカン, 接合菌類ではキチンとキトサンである。細胞壁は糸状菌の形態形成・菌糸の先端生長に重要な役割を果たしていると考えられている。
    筆者らは糸状菌Aspergillus nidulansやRhizopns oligosporusのキチン合成酵素やキチナーゼの菌糸生長, 分化における役割について詳細な解析を行っており, その構造的な分類と機能との関係について解説していただいた。
  • 大西 邦男
    2000 年 95 巻 12 号 p. 878-884
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 大野 彰一
    2000 年 95 巻 12 号 p. 885-891
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    “ご飯と味噌汁” は, われわれ日本人の食事の原点である.現在でも, 味噌の用途のほとんどは味噌汁用で, 一部が鍋料理など料理用, たれ, 味噌漬などに使われる。しかし, 昨今の食の洋風化, 米ばなれなど食生活の変化に伴い, 味噌入り洋風スープ, サラダドレッシングなど, 新しい味噌利用の調理例も多い。多様化する消費者のニーズとあいまって, 味噌を用いた新商品も多数販売されているが, 飲料の分野に味噌を用いた商品例は未だない。筆者は, 味噌の栄養成分, 機能性に着目され, 味噌の飲料原料としての適性を検討され, 味噌を用いた保健飲料, その製造技術を開発され, 商品化の可能性も示された。この味噌飲料について, 詳細に解説していただいた。
  • 松橋 通生, 遠藤 成朗, 大島 英之
    2000 年 95 巻 12 号 p. 892-898
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    醸造物の品質は醸造用微生物の増殖と深くかかわっており, 増殖制御は重要な管理ポイントである。現在の増殖制御は発酵温度などの温度を主体に行われているが, その他の制御法についても興味があるところである。
    本稿では, 微弱な音波の微生物の増殖に対する作用という新分野に取り組んでおられる筆者に, これまでの研究成果を中心に解説していただいた。b
  • 佐々木 隆
    2000 年 95 巻 12 号 p. 899-905
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    乳酸菌の生産する抗菌ペプチド, ナイシンは乳酸菌の作る有用なバクテリオシンとして, 産業的に詳細に研究され, 種々の食品汚染菌・食中毒原因菌などに低濃度で抗菌性を示す。
    ここでは乳酸菌のバイオ研究の流れ, ナイシンの食品への利用, 解明された用個のナイシン合成遺伝子の各々の機能, 乳酸菌の遺伝子多量発現系NICE Systemを用いた画期的なタンパクの大量生産法まで解説して貰った。
  • 田村 巧, 後藤 誠, 安澤 義彦, 勝又 和明, 片岡 惇
    2000 年 95 巻 12 号 p. 907-911
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    新潟県農業総合研究所食品研究センターにて開発された米の低タンパク質化処理技術を活用した酒造りを検討した結果,以下のような知見を得た。
    (1)使川菌種はLactobacillus plantarum(LPT)を採用し,低タンパク質処理時間は目標のタンパク質含量から15時間が妥当であると判断した。SDSPAGEの観察では,PBI及びIIともに対照に比べ薄くなっていた。特に22~23kDaの塩.某性サブユニットの減少が顕箸であった。
    (2)40℃ で低タンパク質化処理を行うため,米中の構造が脆くなり,デンプンの流出が大きくなると考えられたが,通常の原料処理との比較からデンプン流出の影響はほぼないことが認められた。また江川の報告の通り,低タンパク質化処理によって糊化状態がより保持され,また溶解性も保持されることが確認できた。
    (3)小仕込み試験により得られた清酒は,いずれも幅のあるふくらみを持ち,ソフトな清酒として位置づけられた。目標の清酒に近い品質が得られ,また製成酒の型から低アルコール酒としての展開も示唆された。
    最後に,本研究は(株)エヌ・ワイ・ケイの事業化に向け,朝日酒造(株)が原料処理に関わる分析を担当した。本稿の投稿を許可いただいた(株)エヌ・ワイ・ケイ和田勇吉社長,朝日酒造(株)平澤亨社長に深謝いたします。
  • 小林 健治, 新谷 浩介, 原 安夫, 岩成 大輔, 堀江 修二
    2000 年 95 巻 12 号 p. 912-915
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    井水を電気分解して得られた電解生成水を仕込み水に用いて仕込み試験を行い以下の結果を得た。
    (1) アルカリ性水は蒸米の溶解を抑制し日本酒度の低下が最も速く, 酸性水は逆に溶解性を促進し日本酒度の低下が最も遅かった。もろみにおいても電解生成水の蒸米溶解の制御が可能であることが確認された。
    (2) もろみ中の酵素活性では, 酸性プロテアーゼは酸性水>原水>アルカリ性水の順となり, 前報同様電解生成水が酸性プロテアーゼ活性に与える影響が蒸米溶解制御の原因であることが示唆された。
    (3) アルコール生成量は酸性水> アルカリ性水>原水の順となり, 電解生成水が酵母の発酵性にも影響を及ぼすことが示唆された。
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