日本醸造協会誌
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98 巻, 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 五十嵐 泰夫
    2003 年 98 巻 8 号 p. 533
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 山口 進康, 那須 正夫
    2003 年 98 巻 8 号 p. 534-543
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    筆者等は, 環境微生物学分野で迅速かつ簡便な微生物の検出・定量法に取り組んでいる。ここでは蛍光染色法や遺伝子検出法, 遺伝子増幅法の開発と改良についてその原理と測定法を解りやすく説明し, 試料中の微生物を群集レベルで明らかにする可能性を示してもらった。この有用な手法は今後醸造学分野でもひろく普及するものと考えられる。
  • 佐々木 定
    2003 年 98 巻 8 号 p. 544-551
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    不況による所得の減少, 消費の停滞など, 経済の長期低迷が続いているが, 不況に強いといわれている酒類の消費にも影響してきている。そこで各種資料のデータをもとに, 酒類消費の現状と今後の変化の予測について, 著者の私見が述べられている。
  • 乳酸菌発酵形式の判別分析
    恩田 匠
    2003 年 98 巻 8 号 p. 552-559
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    近年, 非破壊分析法として近赤外線を用いた液状食品や粉状食品の分析が行われ, 一部JASの分析に採用されている。乳酸菌は, 糖の発酵形式により, 100%乳酸を作るホモ型と乳酸50%とアルコール26%作るヘテロ型に分けられる。乳酸菌の発酵形式の分類に, 簡易で且つ迅速に分析する方法が要求されている。
    著者は, 近赤外線を用いた分光分析法により, 発酵形式の測定法を可能にした。今後は発酵成分の測定に発展することが期待されている。
  • 佐藤 雅英
    2003 年 98 巻 8 号 p. 560-567
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    下面ビール醸造においては主発酵に酵母が数回繰り返し使用されるため, 酵母の凝集形質は重要な因子となっている。本稿では実用下面ビール酵母の凝集性の不安定性とそれを支配しているLg-FLO1遺伝子の非凝集性細胞における構造変化について, 最近の研究成果を基に解説していただいた。
  • 村上 英也
    2003 年 98 巻 8 号 p. 568-569
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 小浜 恵子, 伊藤 良仁, 米倉 裕一, 山本 忠, 櫻井 廣, 大澤 純也
    2003 年 98 巻 8 号 p. 575-581
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1. 清酒酵母のアミノ酸取り込みの増大と酒質との関係を明らかにするため, 基質特異性が低くnitrogenregulationに重要な役割を果たしているアミノ酸透過酵素 (GAP) に着目して調節の変化が清酒醸造に与える影響を検討した。GAP1遺伝子をアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子 (ADH1) プロモーターで発現させた清酒酵母 (pGAP1/K701) は, 実際のもろみ中でもアミノ酸の透過性は増大しており, 醗酵経過への顕著な影響はみられなかった。菌体内アミノ酸濃度はもろみ初期から末期まで高く, アミノ酸組成別ではプロリンを除きすべての濃度が同等あるいは上昇していた。得られた製成酒は協会701号酵母 (K701) に比べて酢酸イソアミル濃度が高く, リンゴ酸量が多く酢酸濃度が低いものであり, 香りの華やかさが特徴的な酒質となった。
    2. アンモニアの存在下でGAP1遺伝子は抑制されることから, アンモニアのアナログであるメチルアミンを含み, プロリンを窒素源とした培地上で, K701とpGAP1/K701の生育に差異がみられた。この耐性を指標にして, K701を親株とし, 突然変異株を選抜した。生育良好な14変異株を用いて総米100gの試験醸造を行ったところ, 製成酒の構成成分はpGAP1/K701と同様の傾向が見られた。変異株のうち酢酸イソアミル含量が高く, 官能評価の結果が最も高いE136について総米1kgの仕込みを繰り返した結果, 構成成分及び酒質の再現性が得られ, もろみ中での菌体内アミノ酸濃度を測定したところ, 明らかにK701に比べて上昇していた。ノーザンプロッティングによる解析から, 窒素源豊富な条件下でもE136のGAP7遺伝子の転写量はK701に比べて増大していた。従って, プロリンを窒素源としてメチルアミン耐性を指標とした選抜により, GAPによるアミノ酸取り込み能の増大した清酒酵母の育種が可能であることが明らかとなった。
  • 福井 正一, 奥田 徹, 高柳 勉, 横塚 弘毅
    2003 年 98 巻 8 号 p. 582-588
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    セミヨンブドウ果汁及びワインより硫酸アンモニウム塩析によってタンパク質画分を調製し, これらの画分をSuperdex 75HRカラムを用いたHPLCで分離した。硫安塩析によって得られた果汁及びワインタンパク質はそれぞれ7つの画分 (J1~J7とW1~W7) として回収できた。得られたタンパク質の分子量, 中性糖量を測定したところ, ほとんどのタンパク質は25~30kDaであり, また61及び57kDaのタンパク質も認められた。また, 全ての画分に中性糖が検出されたことから, これらのタンパク質は糖タンパク質であると考えられた。ワインより分離されたタンパク質のほとんどは果汁由来であるが, W4の24kDaのタンパク質は酵母由来と考えられた。これらのタンパク質のN末端アミノ酸配列を決定したところ, インベルターゼと高い相同性をもつタンパク質が2種類, オスモチン様タンパク質と高い相同性をもつタンパク質が3種類, 及びタウマチン様タンパク質 (VVTL1) と高い相同性を持つタンパク質が2種類認められた。
  • 北垣 浩志
    2003 年 98 巻 8 号 p. 589-593
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    清酒のDPPH消去能をコントロールするための情報とするため, 清酒の製造工程におけるDPPH消去能の推移を調べた。その結果, 製麹工程においては製麹時間40時間後に単位重量当たりのDPPH消去能が急増すること, 清酒のDPPH消去能には, 麹が直接生産するDPPH消去能と, 麹が生産した物質のDPPH消去能がもろみにおいて増加する分が主に寄与していること, 活性炭処理によって単位容量当たりのDPPH消去能は約半分にまで減少することが明らかとなった。
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