日本醸造協会誌
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99 巻, 10 号
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  • 春見 隆文
    2004 年99 巻10 号 p. 693
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 宮尾 俊輔
    2004 年99 巻10 号 p. 694-700
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    最近の吟醸作りではカプロン酸エチル高生産酵母が多様されている。これらの酵母の多くは発酵能が必ずしも強くないため, それを補うために発酵能が高い酵母との混合仕込みがしばしばなされる。混合仕込みについては情報が不足しており, 醸造場では手探り状態で行っているところも少なくない。筆者はカプロン酸エチル高生産株を用いた混合仕込みについて, 酵母添加時や仕込み時の混合比率とその後の酵母比率の変化, 酒質に与える影響などを詳細に研究を行っている。本稿は吟醸造りの現場に貴重な情報を提供している。
  • 若井 芳則
    2004 年99 巻10 号 p. 701-707
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    清酒の主原料である酒米について, この100年を振りかえっていただいた。
    先人の酒米への思い, その時代の醸造適性等の研究推移と酒米育種, 品種改良法の変遷および酒米の今後の方向, さらには清酒の品質向上と多様化に大いに役立っている精米機についても解説している。
  • 鈴木 昭紀
    2004 年99 巻10 号 p. 708-725
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    これまであまり試みられていなかった食環境と酒類の消費数量との関係について, 家計調査を基に筆者独自の手法で分析を行った。
    その結果, 清酒とウイスキーが同じ傾向を示したこと, 各酒類の消費数量の動きと, その酒類と相性のよい食品の消費動向が一致するなど, たいへん興味深い相関関係が紹介されている。
  • 村上 英也
    2004 年99 巻10 号 p. 726
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 宇都宮 仁, 磯谷 敦子, 岩田 博
    2004 年99 巻10 号 p. 729-734
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    清酒の香味特性の参照標準とする物質及びその添加量を定めるため,エステル(酢酸エチル,酢酸イソアミル,カプロン酸エチル),アルコール(イソアミルアルコール,フェネチルアルコール)及び有機酸(酢酸,酪酸,イソ吉草酸,カプロン酸,カプリル酸)について検知閾値,認知閾値及び90%認知閾値を求めた。前報で報告したものも含め清酒へ添加した20種類の匂い物質の閾値を,ビールに添加した匂い物質の閾値と比較すると酢酸イソアミル,フェネチルアルコール,イソバレルアルデヒド,DMS,TCA,酢酸,カプロン酸及びカプリル酸では低かったが,他10成分(ソトロン,フルフラールを除く)は大きく異なるものではなかった。
  • 岩野 君夫, 幡宮 顕仁, 中村 拓郎, 渡辺 誠衛, 伊藤 俊彦, 中沢 伸重
    2004 年99 巻10 号 p. 735-742
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1.酒母における酵母の増殖を想定して,麹抽出液培地を用いて酵母の増殖におけるアミノ酸取込み量を調べたところ,取込み量の多いグループAにグルタミン,リジン,スレオニン,メチオニン,アスパラギン酸,アルギニン,ロイシン,アスパラギンが,取込み量が中程度のグループBにセリン,トリプトファン,フェニルアラニン,グルタミン酸,イソロイシン,ヒスチジン,システイン,バリン,チロシンが,取込みせずに逆に放出するグループCにはGABA,アラニン,プロリン,グリシンが分類された。
    2.清酒の呈味に関係しているアラニン,アルギニン,グルタミン酸,アスパラギン酸についてみると,アルギニンとアスパラギン酸は酵母の取込み量が多いアミノ酸(グループA)で麹からの持込み量が多いアルギニンは酵母の最大取込み量を上回る場合があり得る。グルタミン酸は取込み量が少ないアミノ酸(グループB)のため麹からの持込み量が製成酒のグルタミン酸含有量に密接に関係している。アラニンは酵母が放出するアミノ酸(グループC)であり麹からの持込み量がそのまま製成酒の含有量に上乗せになるアミノ酸であった。
    3.酵母の増殖が終了した段階ではアミノ酸取込み量は僅かであり,酵母のアミノ酸取込みは主に増殖の窒素源として利用される。
    最後に本研究に当たり奨学寄附金を頂戴した秋田県酒造組合様,貴重なアドバイスを頂きました山梨大学飯村穣教授,日本醸造協会吉田清上席技師に厚くお礼を申し上げます。
  • 小室 友香理, 穂坂 賢, 中田 久保
    2004 年99 巻10 号 p. 743-749
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    前報にて花から分離したND-4株,HNG-5株に加え,同様に集積培養法を用い,日々草からNI-2株,ベゴニアからBK畦株を分離した。これら4株の菌学的諸性質を調べたところ,全株泡なしタイプの清酒酵母であった。そこでこれら4株を用いて小仕込み試験を行ない,一般成分,香気成分分析および熟練したパネリストによる官能評価を行なった。その結果,ND-4株による製成酒は,カプロン酸エチルが特に高く官能的にもふくよかな味わいを有した。HNG-5株およびNI-2株による製成酒は,カプロン酸エチルと酢酸イソアミルをバランスよく生成した。香気成分値としては同様の傾向であるものの,官能的にはHNG-5株による製成酒は含み香が強く,NI-2株による製成酒はすべりのよい口当たりであった。BK-1株による製成酒は酢酸イソアミルが特に高く,それぞれに特徴を有する清酒を醸造することができた。また,ND-4株のカプロン酸エチル生成における発酵温度は100Cという低温下よりも13~15℃ において高いことが明らかとなった。さらに,ND-4株の製成酒においてアミノ酸の高い製品が認められたため,アルコール耐性に着目し検討したところ,ND-4株はK-9株やNI-2株に比ベアルコール耐性が弱い結果となった。このことから,高アミノ酸生成が本要因によると推察された。
    これまでに分離した4株はいずれもYeastcidinの特性を利用して清酒酵母を選択的に分離する手法を用いており,本法によって今後も自然界から更に個性的な特長を有する優良株が分離できる可能性が示唆された。
  • 中曽根 早苗, 大城 寿賀子, 名嘉 博幸, 宇地原 敏夫
    2004 年99 巻10 号 p. 750-757
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    泡盛熟成を物性面から評価する基準を得るため,種々のエタノール濃度のエタノール-水混合溶液,新酒及び種々の条件で貯蔵された泡盛古酒のDSC測定を行った。その結果,
    (1)エタノール-水混合溶液や新酒に比べ,素焼古酒ではより高いエタノール濃度においてブリーエタノール(水とクラスターを形成していない)に関係するピークの消失やエタノール-水の強い相互作用を持つクラスターに関係するピークCの出現が見られた。これは,同じエタノール濃度では,素焼古酒の方がエタノール-水クラスター形成量が多く,「まろやか」に感じ,「熟成」していることを意味する。
    (2)従って,泡盛熟成とDSC形状変化(ピークCの増加)との間には明らかに相関があり,エタノール濃度を十分に考慮した上で,そのDSCを泡盛熟成の物性面からの評価基準(必要条件)に利用できる可能性を示唆している。
    (3)DSC形状変化から熟成度が高いと判断された素焼古酒に含まれる金属イオン(Na+,K+,Ca2+,Mg2+)を, 43%エタノール-水混合溶液やDSC形状変化の小さい泡盛に添加し,DSC測定を行なったところ,添加濃度の増加でピークCの強度の増加がいくらか見られた。
    (4)素焼古酒で,エタノール-水クラスターの形成が促進されていることから,従来から言われているように素焼容器は泡盛の熟成に適していることを示唆しているように思える。
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