一、約五〇餘種の農林作物に就さて「ペントース」並に「メチールペントース」の定性試驗並に定量試驗を行ひたり
二、定性試驗は著者の新法たる硫酸「ベニリン」反應を主とし尚ほ「コレステリンアルコール」と硫酸反應及び「フロログルシン」鹽酸反應等を仔細に檢したり
三、定量試驗は著者の新法として「フルフロールフロログルシツド」を作り「アセトン」及び「アルコール」を溶剣に使用し「フルフロール」、「メチールフルフロール」及び「オキシメチールフルフロール」等の「フロログルシツド」を各別に分離し該歎量より「ペントース」及び「メチールペントース」の藪量を算出したり
四、使用したる試料は一般に「フルフロール」反應顯著にして「メチールフルフロール」反應を有すると認めらるべきもの僅少なり。黒「ウメ毛ドキ」種實及び赤「ウメモドキ」種實の兩者は「メチールフルフロール」の反應即ち「メチールペントース」反應比較的顯著にして荷ほ微弱なる該反應を表はすものを墨ぐれば小変麹、妙熱小変、大変、惹政、米糠、自米、小豆、白大豆、黒大豆、櫻豆、椎董、「ホンダフラ」、「ムクロジ」、黒「ウメモドキ」枝、「トチノキ」木質部等なり
五、供試料は實験の都合上其乾燥状態を異にするものあれども「ペントース」竝に「メチールペントース」定量結果より「ペントース」含量一〇% 以上のもの及び「メチールペントース」一%以上のものを摘録し荷ほ其植物分類學
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