日本釀造協會雜誌
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37 巻, 5 号
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  • 松本 憲次, 上野 喜作
    1942 年 37 巻 5 号 p. 289-296
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    (一) ビイタミン抽出蠶蛹の蒸館製麹に適當する吸水量を測定したるに八〇-九〇%適度の樣で蒸館時間は二時間位が可良であるが、溶劑抽出蠶蛹粕は九〇%撒水三時間以上五時間位の蒸館結果が良好で、蠶蛹に赤糠混合した場合は二時間位の蒸館が良い樣である。
    (二) 蠶蛹の脱臭に酸化法を操用し、過酸化水素一%以上にし五五度に一宜度放置し濾別乾燥したるに脱臭を認めた、然し麹菌を移植したが繁殖が充分でなく臭氣が除去せられない。
    過マンガンガン酸加里は〇・五%以上に浸漬乾燥とすると脱臭する樣である。
    晒粉を適度の濃度にし蠶蛹を浸漬し後晒すと脱臭が出來るが鹽素臭を伴ふ。此れに糖蜜を撒布して鹽素臭を消失せしめることが出來るが此の際に晒粉の濃度高きものが必要である、晒粉使用蠶蛹をアミノ酸原料とすると特有蠶蛹臭ないものが得られる。
    (三) 糸状菌中アスペルギルス、ニーゲルを蠶蛹に繁殖せしむると脱臭する。
    其他の麹菌生酸種類を使用すれは同樣に脱臭の效果を奏する。
    アルカリ性を呈する麹菌屬を蠶蛹に繁殖しアンモニア臭を生ぜしめると腕臭する。斯樣な試驗にてアミノ酸を製造すれば蠶蛹臭を生じない。又蠶蛹麹製造にはビイタミン抽出殘渣は繁殖し難い從つて麹を自己消化せしめたるにベンゼン抽出其儘のものゝ方が分解率が高い。
    アスペルギルス・ニーゲル菌を單用製麹するよりは種類の異なる物を混用する方が良好である。ニーゲル菌を蠶蛹脱臭に使用する場合は樣使用の必要ない樣である。
    (四) 蠶蛹麹を諸味増量に使用する場合は蠶蛹麹諸味を外割にして諸味に八〇
  • 茂木 正利
    1942 年 37 巻 5 号 p. 296-299
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
  • 武藤 始太郎
    1942 年 37 巻 5 号 p. 300-304
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
  • 藤井 與次
    1942 年 37 巻 5 号 p. 304-307
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
  • 谷田 清光
    1942 年 37 巻 5 号 p. 312-313
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
  • 金井 春吉, 伊藤 恭五郎
    1942 年 37 巻 5 号 p. 335-324
    発行日: 1942/05/15
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    I
    (1) 普通酒母を基調として葡萄糖, 水飴, 酒精及び少量の麹類を添加して醗酵液を製造し, 之を香味の中核體として合成清酒の製造を試みた。
    (2) 醗酵液の酒母の使用量は製成合成清酒量の6.7%及び10%である。
    (3) 醗酵液は合成清酒匠丸味と巾を持たせ所謂味の調整劑としては極めて效果が大であるが清酒樣香氣を附與せしめんとする目的に對しては尚幾多研究の餘地がある。
    (4) 前記醗酵液使用に依る合成清酒の品質は味の調和良く相當濃味にして合成清酒の風格を充分示して居るものと思はれたが尚前述の如く香氣の點に於て研究の餘地あることを示した.
    II
    豫め普通清酒釀造の場合に於けるが如き山廢配及速釀配を採り其の育成過程中に於て前者には乳酸, 後者には葡萄糖及酒精を添加して特殊山廢配及變形速釀配を製造し熟成後搾揚該濾液を使用し合成清酒の製造を行つた。兩者共可及的長期間の育成に依り蛋白中間物質の減少及び香味の優進を圖つた。
    該瀘液使用の合成清酒は共に味の調和良く濃醇酒型であつたが香氣の點に於てI同樣尚不充分の處があつた。
    變形速釀配に實驗せし如く搾揚前に酒精を添加する事は製成酒に於ける酒精香の分離を防ぐには相當役立つが, 本試驗に於けるが如ぐ搾揚時の氣温高き場合には, 酒精の損失量は相當多い。
    無機鹽類の代用として精製海水の使用を試みたが酒質にゴクを増し味の調和にも相當の效果あり今後之が合成清酒製造上の利用は相當興味ある事柄であることを示唆した。
    前記試驗は何れも昨昭和16年3月中旬より5月下旬に亙り行ひたるものであつて氣温相當高く, 特殊山廢配及變形速釀配を育成するには稍不適の時期であつた。從つて製成された製品も充分滿足すべきものではなかつたが, 之を低冷なる時期又は冷凍設備を有する場處に於て施行せば尚より良き成績を擧げ得るものと思考する。
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