清酒の清澄剤としてP.V.P.タンニン酸, 柿シブを使用して沈澱を生ぜしめその沈澱の生成する時に同時に白ボケ成分を凝固沈澱させて清酒清澄の目的を達した。
本法による方法ではpH2~5の間では極めて安定に清澄作用が行われ且生じた沈澱はそれ自体比重が比較的重く沈降速度が早い。
清酒100cc当りの使用量はP.V.P.(1%溶液) 0.1~0.2cc.タンニン酸 (1%溶液) 0.1~0.2cc柿シブ (10倍に水にて稀釈) 0.2~0.3ccである。この割合で一升ビンに清酒をとり清澄操作を行つた結果も良好であつた。
大量に工場で清澄操作を行わんとする時にはP.V.P.タンニン酸, 柿シブ以外に明バン, 活性白土, タルク, 活性炭等を併用すると良い。尚P.V.P.を使用して柿シブ中のタンニン質の分析, 酒類中のタンニン質の分析等が可能と考られるのでいずれその中に研究を進めたい。終りに臨み本研究に終始御助言を賜つた本所合成樹脂研究室佐伯健作氏に深謝します。
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