清酒の貯蔵着色物質および銅による異常着色物質の構成成分を検討した。貯蔵着色物質中には主要アミノ酸としてAsp, Glu, Gly, Lys, CyS等がまた金属としてFe, Ca, Mg, Zn, Cu, Mnが検出された。一方異常着色物質ではGlu, Gly, Asp, Ala, Ser, Leu等が主要なアミノ酸で, 検出された金属もCa, Cuのみであった。なお貯蔵着色増に効果のあったTryは不検出であり, その他, 糖も貯蔵着色物質には検出されなかった。着色物質の性質を2, 3検討したところ, 分子量は比較的低分子 (約10,000以下) であり, 定性反応, 赤外部吸収スペクトル等から, 貯蔵着色物質は一種のメラノイジンと推定した。
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