バンカーからみた清酒業界の分析シリーズとして今回は, 愛知, 岐阜, 三重の東海三県について, 岐阜市に本店を持つ十六銀行調査部の町田調査課長に執筆をお願いした。
東海の清酒業界にみられる小規模・低生産性, 保守的経営は, 累次の近代化施策にもかかわらず, 所期の成果をあげえなかったことが指摘されているが, これに対する反省として今一度, 清酒製造業の原点に立ち帰って, その本来的性格として経営は小規模, 酒質は地方銘醸品を旨とすべきことが提案されている。難航を予想されている業界にとって, このような意見が, これからの近代化施策にも新しい灯台の光として生かされることを読者と共に期待したい。
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