A.oryzaeと
Rhigopus sp.について, 玄米粒および餅麹のミニモデルとして調製した米粉または玄小麦粉によるタブレット形の固形培地を用い, 主に自動増殖測定装置による供試株の増殖測定を行い更に培養物の酵素活性を調べ下記の結果をえた。
1.玄米粒では蒸煮の有無にかかわらず
A.oryzaeの方がアミラーゼ活性が高かった。
2.玄米粉の固形培地における供試菌株の増殖と酵素生産に対しては, 培地の初発水分が大きく影響し,
Rhizopussp.の酵素生産はACPaseを除き水添加率40%付近で最高であった。
3.米粉固形培地における.
Rhizopus sp.の増殖と酵素生産については, 供試した7菌株間で差異がみられた。しかし, 各菌株はいずれも
A.oryzaeに比べ発芽, 増殖が早いがAAase, GAaseおよびACPaseの活性がかなり低かった。
4.玄小麦粉固形培地ではA.oryzae, Rhizopus sp.共に発芽, 増殖が低下したが, AAaseおよびGAaseの活性が著しく増加しAPase, ACPaseの活性が低下した。しかし, Rhizopus sp.は
A.oryzaeより増殖が早いがAAaseおよびGAaseの活性が低く, 玄米粉の場合と同様な結果がえられた。
5.米および小麦を原料とした培地では, いずれの場合も
A.oryzaeの方がアミラーゼ活性が高く,
A.oryzaeがでん粉糖化力のすぐれた糸状菌であることが確認された。
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