1.東京, 関東信越, 仙台, 名古屋, 金沢及び福岡国税局管内の清酒製造場から昭和54年酒造年度に採取した酒造用原料米29点について, 性状を調査し, 成分分析を行い, 12項目の原料米特性を調べた。
2.使用時精米歩合と粗たん白分を除いた9種類の原料米特性間には, 強い相関が認められたので, 原料米の諸特性は, それらの特性の中の玄米換算価格によりほぼ代表されるものと考えられた。
3.主成分分析の結果, 酒造用原料の諸特性を代表する総合特性値として,「米質」に関する主成分が抽出された。
この主成分の寄与率は, 66.1%で最大であったことから, 原料米に関する情報のほとんどが, この主成分で代表されることが分った。
なお, 各原料米について, この主成分の大きさを比較したところ, 玄米換算価格の高いものは主成分得点が大きく (米質が良), 玄米換算価格の安いものは主成分得点が小さく (米質が不良) なる傾向が認められた。
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