Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
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  • 鈴木 天音, 木倉 悠一郎, 田中 健一, 船津 公人
    2018 年 19 巻 p. 1-6
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル フリー
    新規化合物の設計にあたり、溶解度は重要なパラメータのひとつである。しかし、候補化合物全てに対し実験で溶解度を求めるのは現実的に困難であるため、定量的構造物性相関(QSPR)を利用した推算が行われている。本研究では、QSPRに用いるモデルとして情報分野で広く使われ始めている深層学習を利用した。溶質・溶媒の構造記述子から溶解度予測に必要な情報を抽出する特徴抽出層、溶質・溶媒の相互作用を表現する関係表現層の2階層のモデルを作成することで実際の化学的現象に沿ったモデル構築を行った。構築したモデルが既往の手法(Random Forest)に比べて高い予測精度を示すことを確認したほか、モデルの中間出力をIsomapによって可視化した。可視化マップを用いることで溶媒の特性の理解が可能であり、代替溶媒の探索や併用の可否判定などができる可能性を示した。
  • 佐方 冬彩子, 小寺 正明, 田中 健一, 中野 博史, 浮田 昌一, 白沢 楽, 冨谷 茂隆, 船津 公人
    2018 年 19 巻 p. 7-18
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/27
    ジャーナル フリー
    材料開発において未知の材料を効率的に探索するには、組成の情報のみから物性を予測する手法の開発が必要である。本研究では、無機材料の組成式を記述子に変換して説明変数とし、物性との関係を表す回帰モデルを構築した。さまざまな物性の予測に対応できるよう情報を損失なく変換するために、組成式中の各元素の個数や割合を表す記述子、原子量、原子半径、電気陰性度といった元素の物理学的パラメータを使用した記述子など、合計387個の記述子を提案した。ケーススタディとして、これらの記述子を用いてRandom Forestによるモデルを構築し、結晶の生成エネルギー、密度、屈折率という3種類の物性の予測を行って R2 値がそれぞれ 0.970、0.977、0.766という結果を得た。また、統計的に選択されそれぞれの物性予測モデルの構築に寄与した記述子が、化学的知見から考えても妥当なものであったことからこの手法の有用性を確認した。
  • 大前 貴之
    2018 年 19 巻 p. 19-25
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/07
    ジャーナル フリー
    グアニジンの強い塩基性を説明するために導入されたY字芳香族性における典型化合物として、トリメチレンメタンの3個のメチレンをn個の炭素原子から成る鎖状共役系に置き換えた系を提案した。この化合物のπ電子共役系のエネルギースペクトルを、ヒュッケル近似の範囲内で一般的に求めた。共役系が閉殻を成すことを系のエネルギー的な安定化の必要条件として、Y字芳香族性が出現するための魔法数を求めた。いくつかの典型化合物の安定化エネルギーを鎖状共役系を参照系として求め、魔法数の有効性を検討した。ただし、各系のエネルギーはヒュッケル近似の範囲内で求めた。魔法数とエネルギー的安定化の傾向は完全には一致しなかったが、π電子系の数が魔法数と一致する時にエネルギー的な不安定化が減少する傾向が見られた。
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