柿抽出物含有食品(KE 食品;1 回摂取量:柿抽出物として 150 mg)の健常成人における口腔ガス中の主要口臭原因物質とされる 3 種の揮発性硫黄化合物 (VSC),すなわち硫化水素 (H
2S),メチルメルカプタン (CH
3SH) およびジメチルサルファイド (CH
3SCH
3),の濃度に及ぼす効果を検討する試験(試験 1)および糞便臭の原因となる VSC として知られる CH
3SH および H
2S の糞便中濃度ならびに自覚的糞便臭に対する効果を検討する試験(試験 2),を各々実施した.11 名の被験者を対象として試験 1 においては,KE 食品の単回摂取によって口腔ガス中の CH
3SCH
3 の濃度が有意に低下することが示された.14 名の被験者を用いた試験 2 においては,KE 食品の 1 日 1 回,7 日間摂取は,CH
3SH および H
2S の糞便中濃度を有意なレベルまでは低下させなかったものの,自覚的糞便臭を有意に改善した.以上の成績から,口臭ならびに糞便臭に対する KE 食品の有益な効果が示唆された.
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