癌予防は,公衆衛生分野の重要な問題である.東洋諸国では,杜仲樹皮が強壮や抗高血圧に使用されている.杜仲樹皮は,マウスでTPAによって誘発された炎症を抑制した.我々は,1 mg/mouseの用量で杜仲樹皮メタノールエキスが,DMBAでイニシエーションをしたマウスのTPAによる腫瘍促進抑制を証明した.この結果は,杜仲樹皮の癌予防の可能性を示唆している。
癌予防は,世界的に公衆衛生の分野で最も緊急の問題のうちの1つである.クレソン( Nasturtium officinale)のメタノール抽出エキスは,マウスにおける12-O-tetradecaonoylphorbol-13-acetate (TPA)により誘発された耳浮腫を抑制した.抽出物は,イニシエーター7,12-dimethylbenz[a]anthraceneとプロモーターTPAによる発癌二段階試験で著明な抑制効果を示した.メタノール抽出物から,活性成分としてsitosterol 3-O-glucopyranosideが単離同定された.この化合物は, TPAが誘発する炎症を299 nmol/earの50%抑制容量を示した.これらの結果は,クレソンが癌予防に有効である事が示唆された.
抄録全体を表示