日本補完代替医療学会誌
Online ISSN : 1348-7930
Print ISSN : 1348-7922
8 巻 , 1 号
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原著
  • 川原 由紀子, 神内 伸也, 岡﨑 真理, 岩田 直洋, 臼井 達洋, 玄 美燕, 鈴木 史子, 飯塚 博, 日比野 康英
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    【目的】2 型糖尿病モデルマウス (KK-Ay マウス) を用い,霊芝菌糸体培養培地抽出物 (WER) の食後過血糖改善作用を検討した.さらに,α-グルコシダーゼ阻害薬との併用効果についても検証した.
    【方法】KK-Ay マウスに WER を単独,またはボグリボース,アカルボースと同時に経口投与した後,糖負荷試験を行った.
    【結果・考察】WER は,in vitro において α-グルコシダーゼ阻害作用を示した.また,KK-Ay マウスにおいてマルトース負荷後の血糖上昇を抑制した.正常血糖マウスにおいては,WER とボグリボースまたはアカルボースとの間に相互作用は認められなかったのに対して,KK-Ay マウスでは WER とボグリボースとの同時服用で血糖上昇抑制効果が消失した.しかし,投与間隔を 1 時間とすることでその効果は回復した.以上の結果より,WER は α-グルコシダーゼ阻害作用により食後過血糖改善作用を示すものの,WER と α-グルコシダーゼ阻害薬を同時服用した場合,薬物によってはその効果が減弱する可能性が示唆された.
  • 紀平 為子, 岡本 和士, 吉田 宗平, 若山 育郎, 吉備 登
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    神経難病患者における補完代替医療 (CAM) の利用に関する実態調査の報告は極めて少ない.本研究の目的は,神経難病患者の CAM 利用の実態を把握し今後の難病療養の基礎資料として役立てることである.対象は,和歌山県内の筋萎縮性側索硬化症,パーキンソン病と関連疾患,脊髄小脳変性症,スモン患者 1,406 名と,介護者(対照)とした.あんま・マッサージ・指圧,鍼灸,柔道整復,漢方,健康補助食品について質問票を郵送し,無記名回答で回収した.回収率は患者 33.7%,対照 30%で,回収率から求めた CAM 利用割合は,神経難病患者 20.5%,対照 9.8%であった.「あんま・マッサージ・指圧」が神経難病患者に最も利用されており,利用患者の 51.3%が「痛みの軽減や動きの改善などに効果あり」と回答した.本療法は対照でも 32.4%で利用され,その 62.8%で効果ありとされた.効果ありと回答した神経難病患者および対照では主観的健康感が良好である者が有意に多かった.根治療法が未だない疾患を有する患者と介護者において療養生活上での症状や心身の負担軽減に対して CAM 利用が選択肢の一つとして有用と考えられた.
  • 守川 耕平, 久保 幸也, 信川 真智子, 信川 真貴子, 信川 京子, 岡野 哲郎
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    はじめに:現在動物における適当な ADL 評価法はない.そこで,リウマチの動物モデル,II 型コラーゲン誘発関節炎ラットを用いリウマチ発症に伴う疼痛の緩和効果を疼痛に効果があると言われている紅豆杉を用いて検討し,新たな行動回復評価法開発とそれに伴う紅豆杉の補完医学素材について検討した.
    方法:ラット回避行動の習性を利用し行動の変化を 10 段階でスコア化した.リウマチ重症ラットを用い,水摂取群をコントロール群,紅豆杉投与群の 2 群間で行動をスコア化し比較した.また,ラット血清アルブミン,関節のレントゲンを解析し,痛みに対する紅豆杉の効果と行動評価との相関性を検討した.
    結果・考察:水摂取群では,重症で推移し紅豆杉投与群では,腫脹があるにも関わらず行動が活発になり動作が回復した.よって,紅豆杉がリウマチモデルに対する行動回復解析評価法およびラットの関節炎に伴う評価法がラットの関節炎に伴う痛みを検知する方法として有効である可能性が示唆された.
短報
Current Views
  • 安西 英雄
    原稿種別: 【Current Views】
    2011 年 8 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
    米国では統合医療がますます隆盛である.多くの大病院が統合医療を提供し,多くの大学が統合医療センターを設け,現代医療の最先端の人々が統合医療の学会に集う.米国議会の上院や国立アカデミーの医学院まで,すなわち米国は国をあげて統合医療に注目している.
    それは統合医療が医療を変容させる可能性があるからである.統合医療とは,治療手段の統合,施療者と受療者の統合,人間の多面性の統合,医療体制の統合など,多面的な統合を目指す新たな医療のパラダイムである.
    米国の統合医療の新潮流は,こころや食事・栄養の重視である.よりよい治療成果を挙げるためには,患者の日ごろの暮らしぶりが重要であり,そのために患者の啓蒙が不可欠である.その重要性を提示するために最近用いられているのが統合ヘルスという新しい概念である.
    米国の統合医療は,医療のありかたとしても,健康に暮らすための生き方としても,われわれに大きな示唆を与えている.
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