ライフサイクル・コスティングの展開と特質を,文献研究を基礎として,時系列に沿って,そして国別に明らかにする。ライフサイクル・コスティングは,その展開において対象とするコストの範囲を拡大している。この点を論証し,計算システムとしての特質は,未来原価としてのライフサイクル・コストの計算にあることも主張したい。ライフサイクル・コスティングは,他の研究分野との接点をもっている。しかしそれら研究分野とライフサイクル・コスティングとの関係についての研究は,まだ深められているとはいえない。この点が今後の研究課題であり,ライフサイクル・コスティングのより具体的な方法と体系に関する研究もまだ十分ではないことも主張する。
抄録全体を表示