日本でCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)に対する関心が高くなって数年が経過している。現時点でCSRについて単一の国際的な定義はなく,さまざまな考え方がある。本稿では,従来論じられてきた社会的責任論との比較によって最近のCSRの本質を検討する。次に,CSRが求められている要因をCSRの背景およびCSRの課題と効果から明らかにする。最後に,企業価値の本質を検討し,この企業価値を高めるにはCSRとコーポレート・レピュテーション(Corporate Reputation:企業の評判)の関係を重視して,戦略的に取り組むべきであることを明らかにする。
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