Journal of Computer Chemistry, Japan
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2 巻 , 3 号
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研究論文
  • 山内 あい子, 中田 栄子, 中馬 寛
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 3 号 p. 71-78
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/10/31
    ジャーナル フリー
    薬物が原因で起こる胎児奇形は,頻度は低いが薬物治療において決して起こしてはならない副作用である.しかし,わが国には,妊娠に気づかずクスリを服用したとして過度の不安を抱いている妊婦に対する適切な情報提供システムがない.また,開発の中断された医薬品候補化合物の生殖・発生毒性情報は,公開され有効に利用されることなく企業の研究室に眠っているのが実状である.そこで,我々は,インターネット上に情報提供・収集システムを構築し,妊婦(市民)・医療関係者・研究者に情報コミュニティの場を提供することを目指している.先導研究として,Web上で医薬品催奇形性情報と化学構造式に関する条件検索が可能で,さらにクライアント側からも臨床症例登録のできる双方向・成長型の試用データベースを作成した.薬物催奇形性情報コミュニティの実現は,妊婦に対する根拠に基づいた薬物治療の実践と,情報化学的解析手法を用いた効率的な医薬品研究開発に資するものと期待される.
  • 平尾 雅彦, 杉山 弘和
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 3 号 p. 79-86
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/10/31
    ジャーナル フリー
    化学産業が地球持続性に貢献するためには、化学製品と化学プロセスの設計において環境影響評価を統合することが必要である。このために、ライフサイクルアセスメントによる環境影響評価の結果を化学プロセス設計における早い段階で取り込むためのアクティビティモデルを構築した。PET樹脂のケミカルリサイクルプロセスの設計を例として、反応の選択、プロセスの選択、ライフサイクルの選択が相互に強く関係することを示し、実際に環境影響の視点からプロセスを選択する手法を示した。このようなLCAに基づいた設計のためには、反応から単位操作、プロセス、ライフサイクルを階層的にモデル化した統合的情報基盤が必要である。
  • 佐藤 寛子, 中田 忠
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 3 号 p. 87-94
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/10/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,化学反応データベースの信頼性についての検証結果が述べられている.近年,化学反応データベースを自動的に活用し,化学研究への実践的活用を目指す化学反応予測や合成経路設計の研究が報告されている.これらのコンピュータシステムにとって,その基盤となる化学反応データベースの質と内容は極めて重要である.そこで,データベースの質の基本であり,かつ,検索対象として利用する場合にも重要であることから,データの信頼性についての検証が行なわれている.60万件の化学反応データから抽出した329件の反応データのうち151件に誤データが見つけられている.誤データの事例と現行の一般的な反応データベースの抱える課題について考察が行なわれる.
  • 福島 敦史, 池村 淑道, 金谷 重彦
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 3 号 p. 95-110
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究は、パワースペクトル解析と周期性に寄与している塩基配列を同定する周期配列分布パラメータFkによって、原核生物をはじめ線虫、シロイヌナズナ、ショウジョウバエ、マダラカ、ヒトの周期性の特徴づけを行った。線虫ゲノムにおいて、染色体Iで68-bp (base pairs)、染色体II では 59-bp、染色体IIIでは94-bpの新たなリピート配列が見つかった。これらのリピートはいずれも染色体中央部に位置しており、線虫ゲノムにおけるセントロメア機能との関連が示唆される。シロイヌナズナでは、3番染色体に3つの周期(248 bp, 167 bp, 126 bp)、4番染色体に3つの周期(174 bp, 88 bp, 59 bp)、5番染色体に4つの周期(356 bp, 174 bp, 88 bp, 59 bp)が見出された。これらの周期は、Gly-richなORFと関係があった。ヒト21番・22番染色体では、ゲノムの全域にわたって84-bpと167-bpの周期性が見出された。167-bpの周期性に関しては、ヌクレオソーム構造を形成する際に、DNA鎖がヒストンのまわりで完全に2回転するサイズと一致していることは興味深い。長周期についての解析から、特に、ショウジョウバエ、マダラカにおいて、明らかな周期範囲でスペクトルが平坦化することがわかった。他のゲノムでは見られないこの性質は、ゲノムの起源とその進化についての理解への重要な助けとなるに違いない。
  • 佐々木 徹, 長嶋 雲兵
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 3 号 p. 111-118
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/10/31
    ジャーナル フリー
    DVXα法に基づく第一原理分子軌道計算の計算時間の90%以上の部分を占める行列要素算出部分を並列化し、そのプログラムを効率よく実行させるために、科学技術計算専用ロジック組込み型プラットフォーム・アーキテクチャEHPCに基づくDVXα法専用分散並列計算機EHPC-DVXαを開発した。EHPC-DVXαの1ユニットは、Pentium III(動作周波数400MHz、主記憶256MB、ハードディスク容量20GB)をもつPCをホストとして汎用CPU(SH4)(動作周波数200MHzメモリ容量64MB)28からなるアクセラレータを持つ。
    Si78B6H53クラスタの計算をホストのみで実行した場合に比べ、1つのEHPC-DVXα ユニットを用いた並列分散処理では20倍程度の高速化が実現され、スーパーリニアスピードアップを観測した。
    これによりPentium III 1個からなるPCでは計算時間の90%以上を占めていた行列要素生成ステップは、4ユニット(112CPU)を用いた場合、50%以下に計算時間が短縮した。
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