Journal of Computer Chemistry, Japan
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2 巻 , 4 号
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研究論文
  • 高橋 由雅, 藤島 悟志, 加藤 博明
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 4 号 p. 119-126
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/01/26
    ジャーナル フリー
    本研究では筆者らが先に提案したトポロジカルフラグメントスペクトル(Topological Fragment Spectra, TFS)による新たな構造情報の記述手法をもとに,特定の部分構造の有無のみならず化学構造全体の漠然とした類似性をも考慮したよりやわらかな構造情報の取り扱いとその化学データマイニングへの応用について検討した.構造類似性評価におけるTFS法の有用性と薬物構造データベースを対象としたデータマイニングへの応用の可能性を検証するため,World Drug Index(WDI)より抽出した3,637件の薬物構造データベースを対象に, TFSデータベースを作成した.これを利用し,神経伝達物質として知られるドーパミンをQueryとした類似構造検索を試みたところ,化学者の直感に矛盾しない良好な結果を得ることができた.また,上記の検索結果をもとに得られた構造類似化合物についてのドーパミン活性の有無を調べてみたところ,複数の化合物が同活性を有するものであることが明らかとなった.このことは構造類似性にもとづく候補構造発見のためのデータマイニングの有用性を示唆するものであると考える.
  • 多島 秀男, 井上 博愛, 伊藤 眞人
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 4 号 p. 127-134
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/01/26
    ジャーナル フリー
    チアゾリウム塩を用いたホルモース反応の反応機構中の中間体の安定性を議論するために、MOPAC-PM3プログラムを用いて理論的な検証を行った。一般に知られている反応機構(Scheme 2)中の中間体のうち、C1'位に負の電荷を持つ中間体(II, III)はエナミン形を取ることによって安定に存在できることが確かめられた(Scheme 3)。一方、酸素原子上に負の電荷を持つ中間体(II*, III*, IV*, IV)は、そのままでは非常に不安定であることが認められた。この不安定性を解消する因子として、反応メディア中のアンモニウムイオンの存在に注目した。アンモニウムイオン存在下では、負の電荷を持つそれぞれの反応中間体はアンモニウムイオンとイオン対を形成して安定に存在できることが計算より確かめられた。そこで、このようなイオン対形成を考慮した反応機構(Scheme 4)を提案し、特にプロトン転位過程におけるStep CとStep Dについてその遷移状態計算を行った。どちらの場合もただ一つの遷移状態を見つけることができた(Figure 6)。この計算により、提案する反応機構の初期段階の見かけ上の活性化エネルギーは10.9 kcal/molに見積もられた。この値は実験的に求められた活性化エネルギー(19 kcal/mol)とは若干の開きがあるが、これはチアゾリウムのN位置換基や塩基のpKbの違いによるものと考えられる。今のところ提案した反応機構は、よりもっともらしいスムーズなものであり、今後さらなる研究により明らかになるだろう。
  • 佐々 和洋, 宇野 健, 林 治尚, 山名 一成, 中野 英彦
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 4 号 p. 135-142
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/01/26
    ジャーナル フリー
    AMBER (Assisted Model Building with Energy Refinement) は生体関連分子のシミュレーションに適しているが、AMBER内の残基データベースに登録されていない新規残基部位を有するDNA分子などのシミュレーションを行うためには、モジュールのひとつであるPREPを用いて新規に登録しておかなければならない。しかし、その入力ファイルの形式は繁雑であるため、手作業にて作成するのは容易ではない。そこで本研究では、これまで開発してきた"Modrast-P"を機能拡張し、視覚的に確認しながら対話的にPREP入力ファイルを作成する機能を追加した。これにより、簡便かつ効率的にPREP入力ファイルが作成可能となった。
  • 吉田 弘
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 4 号 p. 143-148
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/01/26
    ジャーナル フリー
    タンパク質の立体構造を予測し設計するためには,計算化学的な手法とバイオインフォマティクス的な手法を効果的に組み合わせて利用することが重要である。本研究では,各種計算化学プログラムのインターフェースとして開発してきた分子モデリングプログラムMOLDAを,構造バイオインフォマティクスによる生体分子の研究に対応できるように改良した。このMOLDA for Protein Modelingの機能として次のものがある。(1) Protein Data Bank形式ファイルの読込みが強化された。 (2) シーケンス情報を入力することによりポリペプチド鎖の三次元構造を生成することができる。(3) 指定した二面体角をもつポリペプチド鎖の三次構造を生成することができる。(4) 指定したアミノ酸残基に対してポイントミューテーションを行うことができる。以上のような機能が追加されたことにより,MOLDAは今後,計算化学に基づいた創薬を行うための有用なプログラムとなることが期待される。
  • 中田 吉郎, 滝沢 俊治, 荻野 峰正, 宇野 雅美
    原稿種別: 研究論文
    2003 年 2 巻 4 号 p. 149-154
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/01/26
    ジャーナル フリー
    生体分子用分子動力学システムPEACHをWindows環境で動作するように移植した。移植にはVisual Fortran を用いた。また計算速度を上げるため並列計算も使えるようにした。移植したシステムを用いて2つのタンパク質モデルの水中でのシミュレーションをおこない、シミュレーション温度による構造の変化を検討した。分子量の小さなホルモンタンパク質であるグルカゴンを用いたシミュレーションでは、高温にした場合数ナノ秒の時間でヘリックコイル転位が起きていることが判った。プリオンのモデル分子を用いた例では、400 Kの高温にした場合でも数ナノ秒のシミュレーション時間では300 Kの場合と比べて顕著な構造の変化は認められなかった。
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