Journal of Computer Chemistry, Japan
Online ISSN : 1347-3824
Print ISSN : 1347-1767
検索
OR
閲覧
検索
5 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
総説
General Papers
  • 野中 利之, 田嶋 聖彦, 服部 秀雄, 新井 邦夫
    5 巻 (2006) 2 号 p. 59-74
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    持続可能な社会の構築に向けて、バイオマス資源を用いた化学プロセスの開発が期待されている。バイオマスを構成する糖類は、一般にそれぞれの構成炭素が1個の酸素を保有し、その中の1つの炭素がカルボニル基となっている他は、全体に水素で飽和されている。このことから、炭素・水素・酸素を構成元素とする化合物は、原理的に同一炭素数の単糖または単糖の水和物を出発原料として、不要な水素と酸素を脱離させた反応中間体を経由することによってほとんどすべてを誘導することが可能である。
    しかしながら、複雑な反応性を有する糖から目的化合物への変換経路を考えることは一般には困難である。そこで、著者らは単糖の化学工業原料としての可能性を検討する一助として、従来明らかにされている糖類の基本的な反応パターンに基づいた糖分子の構造の変化を計算機内で実現し、目的化合物と出発原料である単糖の間の合成経路を自動的に生成するシステムを開発した。
    プログラムは、Pascalで記述されており、Linux上で実行される。糖類に関する基礎反応を用いて、単糖から目的化合物まで考えられる複数の合成経路を明示することを主目的とする。
    抄録全体を表示
  • 廣田 栄治, 及川 昭文, 金森 英人, 福田 朋子, 長嶋 雲兵
    5 巻 (2006) 2 号 p. 75-80
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    高分解能分子スペクトルデータベースHRMSDBの開発を開始した。一部を産業技術総合研究所RIODB(http://www.aist.go.jp/RIODB/hrmsdb/index.html)で公開したので概要を報告する。
    HRMSDBは、高分解能分子スペクトルから得られる分子の構造、回転定数他をデータベースとして公開することを目的とした文献データベースであり、著者のひとりである廣田栄治が1950年から2004年までに収集した、高精度な実験的・理論的スペクトルに関する約20,000の論文をそれぞれノート1ページほどに要約し、データベースとしてまとめた物である。
    抄録全体を表示
  • 渡部 洋子, 坪井 秀行, 古山 通久, 久保 百司, A. Del Carpio Carlos, 一石 英一郎, 河野 雅弘, 宮本 明
    5 巻 (2006) 2 号 p. 81-92
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    食細胞NADPHオキシダーゼ複合体が生成する活性酸素は強い殺菌作用・毒性があり、貪食作用と呼ばれる生体防御機構にとって非常に重要である。特に細胞質サブユニットの一つであるp47phoxのリン酸化によるコンホメーション変化は、NADPHオキシダーゼ活性化すなわち活性酸素の生成力において大きな役割を果たしている。これまで不活性状態および活性状態という2つのp47phoxの立体構造が決定されたが、この2つの構造をつなぐコンホメーション変化は解明されていなかった。そこで本研究では分子動力学法を用い、活性化において重要な役割を果たすSer 303、304、及び328のリン酸化がp47phoxの活性化に及ぼす影響について解析した。その結果、3つのリン酸化サイトにおける高次構造の変化が立体的に離れて位置する領域の構造変化に寄与していることが明らかとなった。更にp47phoxの活性化におけるリガンド交換は、リン酸化によって溶媒に露出したp47phoxのN末端側SH3ドメインと別の細胞質サブユニットであるp22phoxが相互作用することで誘起されるとの示唆が得られた。
    抄録全体を表示
  • 樋田 竜男, 征矢 梢, 内田 勝美, 石井 忠浩, 矢島 博文
    5 巻 (2006) 2 号 p. 93-100
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    本研究ではbis(4-methoxyphenyl)methano[60]fullereneの2付加体を合成し、trans-1異性体及びe異性体の分取を行った。付加数の決定にはFAB MSが確実であり、MALDI-TOF MSは付加数の見かけ上1多いピークが僅かに検出されることがわかった。紫外可視吸収スペクトルは計算(ZINDO/S)と実測で300-400nmにおいて概ね一致し、構造の違いによる特徴的な吸収が500-550nm(e異性体)に計算及び実測で確認された。得られた殆どの遷移に付加基の寄与が大きいMOは関与せず、このメタノフラーレンも吸収スペクトルが主に付加パターンによって決定されていることが示唆された。定性的な収量は1付加体のLUMO及びLUMO+1から解釈可能であることが確認された。同様な推察からこれらの2付加体を出発物質としたときの3付加体の収量を予測したところ、trans-1異性体を出発材料とした時、構造ID0x0800 0081(Figure 1の1,8,28への付加)よりも0x0010 0081(Figure 1の1,8,21への付加)が優位であり、e異性体を出発材料とした場合、0x0800 0081 や 0x0010 0081 よりも 0x0000 1081(Figure 1の1,8,13への付加)が優位であり、それぞれの子孫誘導体にこれら3付加体の共通成分が量的に多く見出せない可能性が認められた。本研究では一般的な付加基に対して構造IDで示される多付加体の座標を求めるツールを開発した。
    抄録全体を表示
  • 青山 智夫, 神部 順子, 長嶋 雲兵
    5 巻 (2006) 2 号 p. 101-118
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    都市を流域とする河川水質シミュレーションのための離散形式の四モデル,単純離散,堰,地下浸透,双未定係数モデルを提示した.それらモデルで記述された人工河川の水質を神経回路網により解析した.目的は水中物質量変化を離散表示する妥当性を,モデルの支配方程式逆算可能性の観点から検討することである.逆算可能ならば河川作用をデータのみから推定できる.
    神経回路網は非線形現象解析に有用である.解析には離散形式のデータ集合が必要である.データ集合は観測値と現象要因の離散形データを含む.神経回路網はデータを学習することにより現象記述機能を獲得する.獲得には観測,要因データに不足があってはならない.不足とはデータ集合要素の存在自明,値不明の場合と,測定要因データの一部種の全欠損,要因存在不確実の三種類がある.最初の場合を欠測という.欠測を含むデータ処理は近年研究されているが後二者は検討例が少ない.我々は環境問題解析に後者の検討は必要と考える.同時にそれは神経回路網の出力値検定に関わる重要問題である.
    本稿では神経回路網の非線形多変量解析機能を基にデータ不足状況における挙動を調査する.主目的は同回路網の機能限界を明確にすることである.そのためデータ誤差の考察を除外した.一般に観測誤差の統計的性質は確かでない.不確実データを基に適用限界の議論は困難である.そのためにモデルを考案し人工河川を定義した.河川データは一様乱数を基に作成した.そしてあえて解析に必要な現象要因データを省き,データ不足状況を作った.
    神経回路網解析から以下の事実が判明した.1.水中物質量変化を離散表示することは妥当である.データが完備していれば離散表示から精度良く現象要因を計算できる.2.データ不足状態でも神経回路網は精度良く河川水中の物質量をシミュレーションする.一方,同回路網の出力値の偏微分係数は正確な要因値を示さない.3.原因は欠損要因を他が補完するためである.4.データ要素の偏微分値変化の大きさがその補完要因種を示す.5.偏微分値変化から欠損要因の性質が推定できる.6.それが可能であるのはモデル支配方程式の概要が推測できる場合である.これら事実は水中物質量変化が離散表示可能なこと,モデル支配方程式がデータのみから逆算できることを示し,総じて河川作用を観測データのみから推定できる可能性を示唆する.
    抄録全体を表示
Technical Paper
  • 荒川 正幹, 船津 公人
    5 巻 (2006) 2 号 p. 119-128
    公開日: 2006/07/27
    ジャーナル フリー
    分子設計や薬物設計においては、コンピュータを用いた効率的な解析が求められており、そのためのコンピュータシステムが数多く研究、開発されている。我々の研究室においても、ケモインフォマティックス、ケモメトリックスに関連する多くの研究を行っており、それらの解析を行うプログラムについても開発を進めている。ToMoCo (The total system for molecular designs by the computer chemistry laboratory) はこれらのコンピュータプログラムをひとつにまとめた分子設計のための統合システムであり、現在までにCoMFA法を中心とした定量的構造活性相関解析(QSAR)に関する手法が実装されている。本論文ではToMoCoに実装されている手法のうち、分子構造重ね合わせ機能、新規薬物候補構造自動創出機能、CoMFA領域選択機能について説明し、これらの手法を用いてCOX-2阻害剤の解析を行った結果を示す。COX-2阻害剤54サンプルに対して、構造重ね合わせを行うことにより活性配座を推定しCoMFA法による3D-QSAR解析を行った結果、R2=0.922、Q2=0.653のCoMFAモデルが得られた。そして、そのモデルを評価基準として用いて新規薬物候補構造の自動創出を行い、予測活性値7.11から7.87までの200個の構造を得た。またCoMFA領域選択を行った結果、変数の数が6分の1以下に削減され、R2=0.938、Q2=0.751というシンプルで予測的なQSARモデルが構築された。
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top