Journal of Computer Chemistry, Japan
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7 巻 , 1 号
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研究論文
  • 朝熊 裕介, 前田 光治, 福井 啓介
    2008 年 7 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/03/15
    [早期公開] 公開日: 2008/01/18
    ジャーナル フリー
    溶液中の3価の金属イオンによるKDP(KH2PO4)結晶への成長速度抑制効果はよく知られている。この金属イオンが結晶表面に吸着するとき、結晶成長を阻害する。また、我々の最近の研究では、キレート剤の添加により、この金属イオンの成長速度抑制効果が緩和され、成長速度が回復することが知られている。しかし、これらのメカニズムは理論的に明らかにされていない。さらに、種々の染料がKDP飽和溶液に添加剤として加えられると、選択的に結晶の異なる面を着色する。この選択性や配向性も同様に未解明のままである。そこで、今まで実験的に知られているKDP結晶成長に関する各種添加剤の影響を計算化学によって明らかにし、静電ポテンシャルによってこれらの現象が説明できることがわかった。
  • 江藤 功, 藤原 英夫, 秋吉 美也子, 松永 猛裕
    2008 年 7 巻 1 号 p. 9-20
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/03/15
    [早期公開] 公開日: 2008/02/20
    ジャーナル フリー
    金属イオンが過酸化水素の分解を促進することについて,分子レベルで解析を行うための第一段階として,過酸化水素-金属イオン(K+,Ni2+,Cu+,Cu2+,Fe2+,Fe3+)錯体について,DFT法(B3LYP)による構造最適化と振動数計算を行った.基底系は金属原子に対してLANL2DZを,H, O原子にD95V,D95V+*,6-311+G*を用いた.計算した錯体構造は過酸化水素と金属イオンの1:1錯体,および過酸化水素と金属水和イオンの多分子錯体である.1:1錯体では,K+,Cu+,Fe2+錯体については最適化構造が得られたが,Ni2+,Cu2+,Fe3+錯体では,過酸化水素の電荷が金属イオンへと移動し(H2O2)とMn-1のような電荷分布となり,クーロン反発が生じたため,最適化構造が得られなかった.一方,水分子を加えた多分子錯体では,全てのイオン種で最適化構造が得られた.最適化構造や振動数解析の結果から,種々の金属イオンが過酸化水素の周りに存在するときの過酸化水素の構造の変化や,O-O結合強度の変化を検討した.過酸化水素と金属水和イオンの相互作用は,錯体の電荷分布や水素結合,および配位状態によって変化した.
  • 本間 善夫
    2008 年 7 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/03/15
    [早期公開] 公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Javaアプレットで動作するフリーの分子ビューアJmolを利用し,ブラウザで3D構造を参照できる生体高分子のWeb教材集を作成して公開した.Protein Data Bank(PDB)に収録されている構造データを必要に応じて加工し,Jmolスクリプトを用いて各データに適した様々な表示変更が可能になるようにしたもので,生命科学の教育・学習に活用可能である.
    これまで本研究室では以前広くChimeを用いて公開してきた教材を順次変換しているもので,膜タンパク質,シトクロムP450, 糖タンパク質など,種類別にしてそれぞれ構造の特徴を強調可能にすることで使いやすくしている.
  • Hiroshi SAKIYAMA, Akito KAZAMA, Satoshi SUZUKI, Yuzo NISHIDA
    2008 年 7 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/03/15
    [早期公開] 公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    The molecular structure of a dinuclear zinc(II) complex was optimized by several computational methods, including ab initio methods, a DFT method, semi-empirical methods, and molecular mechanics methods. The computed structures were compared with a crystallographically obtained structure. The B3LYP/LANL2DZ method could reproduce the crystal structure well, and an axial-elongation tendency around the zinc(II) ion was also reproduced. The resulting structure could be improved by the MP2/3-21G method, indicating the importance of the configuration interaction. Among the semi-empirical methods, only the PM5 and the PM6 could reproduce the crystal structure. For molecular mechanics methods, applicable parameter sets could be determined to reproduce the crystal structure.
  • 末永 正彦
    2008 年 7 巻 1 号 p. 33-54
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/03/15
    ジャーナル フリー
    フリーの分子軌道計算プログラムであるGAMESSに実装されているFMO (フラグメントMO法) 計算のためのGUIを開発した.新しいGUIは,これまで著者が開発を続けてきた計算化学プリ・ポストプロセッサーFacioに組み込まれている.分子モデルを見ながら行なう対話的な操作により,タンパク質や核酸に対するフラグメントの作成や各フラグメントの電荷の決定や名前付けなどが自動的に行なわれ,FMO計算のための入力ファイルも自動的に作成される.手動分割によるフラグメントの作成も可能であるため,複合タンパク質に存在する非ペプチド成分の分割も容易に行うことができる.このような手動分割を複雑で込み入った巨大なタンパク質に対して行なうためには局所構造を表示して変更を加える機能が必須となるが,この目的のためにLocal Structure Viewerを新たに開発した.また,水素原子が欠落した構造に対して自動的に補完した水素原子の座標はFMO計算に先立ち予め最適化する必要があるが,これを行なうために分子軌道法によるフラグメントの連続構造最適化機能を新たに開発した.
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