Journal of Computer Chemistry, Japan
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7 巻, 5 号
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研究論文
  • 正本 博士, 高田 雅子, 永田 和周, 重松 幹二
    2008 年 7 巻 5 号 p. 171-178
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2008/12/25
    [早期公開] 公開日: 2008/10/24
    ジャーナル フリー
    二糖類であるマルトースの亜臨界水中での加水分解反応において,グルコースのみを選択的に高収率で得る最適反応条件をニューラルネットワーク解析法で探索可能か検討した.入力データは反応器設定温度,滞留時間,基質初濃度および反応圧力とし,出力データはグルコース収率と選択率の両者を考慮した反応指標Iとした.圧力と基質初濃度を固定した条件において,滞留時間と反応温度を変数として数点の実験を行い,得られた実験値からニューラルネットワークモデルを作成した. そして,そのモデルを用いて未知の反応条件における反応指標IPの予測を行った.続いて,予測値であるIPの最小値を与える実験条件周辺で実験点を追加し,ニューラルネットワークモデル作成を繰り返すことによって最適反応条件を絞り込んだ.最適反応条件に収束するには,1~3回のニューラルネットワークモデルの再構築が必要であった.反応条件として温度,滞留時間,初濃度,圧力を変数とした4次元の反応最適化についても4回のモデル再構築で反応最適条件の組み合わせを決定することができた.予測で得られた最適反応条件を検証したところ,反応温度で2°C,滞留時間で1.89min以内で予測値と実験値が一致した.また,Iの値も非常によく一致した.
  • Hiroyuki TERAMAE, Kazushige OHTAWARA
    2008 年 7 巻 5 号 p. 179-184
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2008/12/25
    [早期公開] 公開日: 2008/11/22
    ジャーナル フリー
    We compare the CPU time and the wall clock time of the Raffenetti's P file algorithm with the usual algorithm on the two electron integrals storing with four suffixes of the ab initio Hartree-Fock calculations. The calculations are performed with the flutoprazepam, triazolam, clotiazepam, etizolam, and flutazolam molecules. These molecules are all minor-tranquilizers with the benzodiazepine or thienodiazepine backbone. The 3-21G basis sets are employed. Almost in all cases, P file algorithm gave slower speed than the usual algorithm. The number of two electron integrals increases almost two times larger than the usual algorithms. In a large molecule, the matrix of the two electron integrals becomes very sparse and the recombination of the integrals just increases the total number of the integrals. It is concluded that the P method sometimes calculates faster but sometimes does not. In a large scale calculation, it should be suggested to perform a test calculation to confirm which method is faster prior to the real calculations.
  • 青山 智夫, 神部 順子, 長嶋 雲兵
    2008 年 7 巻 5 号 p. 185-200
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2008/12/25
    [早期公開] 公開日: 2008/11/25
    ジャーナル フリー
    デジタル一眼レフカメラで月光スペクトルと空の色相を撮影し,空中Suspended Particulate Matter (SPM) を計測する簡便法を示した.カメラに取り付ける回折系の制作方法,色相の定量化とSPM濃度の関係を示した.それらの方法により北緯32度,東経120 ∼130度間の空中SPMの濃度と性質の相違を評価し,次の結果を得た.
    1. 東経120度以西では仰角大の場合に高SPM濃度となる場合がある.物理的には仰角小の方が濃度は高くなるが,強い上層風に乗りSPM塊が流れているのならば逆転する可能性がある.地上高数kmに高濃度SPM塊が存在する場合はライダー観測にある.
    2. 仰角58度の月光スペクトルの青色領域に顕著な吸収帯がある.仰角20 ∼30度ではその吸収帯がなまる.光は仰角小ほどSPM層を長距離通過するので多種類のSPMの吸収の平均となる.仰角大の月光スペクトルに吸収帯があることはSPM塊の局在性を示す.
    3. 東経120度以西では地上のSPM濃度と仰角小のスペクトルの赤色成分との間には関連がない.東経131度では地上のSPM濃度が高いとき小仰角では赤成分が顕著となり青緑色成分は減少する.月の色は橙である.
    4. 東経120度以東の成層圏に不可視のSPMが存在する.
    これらの結果はSPMの性質が経度10度を移動する間に変化していることと矛盾しない.
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