(1) 4種の混合物CaO.SiO
2; 3CaO.2SiO
2; 2CaO.SiO
2及3CaO.SiO
2を60-30分間1000-1400℃に加熱したる後急冷し、化合したる石灰及珪酸の百分率及分子比に及ぼす加熱温度の影響を求めたり。
(2) 混合物CaO.SiO
2に於ては低温度にて2CaO.SiO
2と少量のCaO.SiO
2とを生じ、温度の昇るに從ひて後者の率を増す、最高温度1400℃にては全く遊離石灰を見ざるも分子比は遙かに理論値を超ゆ。混合物3CaO.2SiO
2に在りては、初め主として2CaO.SiO
2を生じ、温度の上昇と共にCaO.SiO
2, 3CaO.2SiO
2等の生成率を増すものゝし。2CaO.SiO
2及3CaO.SiO
2に當る兩混合物は何れの温度に於ても2CaO.SiO
2を生ぜり、而して其生成率は既に1000°に於て可なり大なるも1400°に達するも尚ほ著量の遊離石灰を殘せり。總ての混合物を通じて2CaO.SiO
2の生成速度が極めて大なることを認めたり。然れ共1300-1400℃の曲線は明かに高温度に於て各混合物の組成に等しき珪酸カルシウムを生ぜんとする傾向を示せり。
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