1) 粘土等の調合原料が, 石灰石と焼成反応する際, 石灰が球状にして, 粘土等に密に囲繞されている。且つ, 反応層の厚さが石灰粒子の大きさに無関係であるとの仮定のもとに, 指数法則に従ふ粒度分布をもつ石灰の未反応率と反応層の厚さとの関係, 並びに未反応石灰の粒度分布を算出した。
2) 遊離石灰が焼過ぎに基く場合を, 4成分平衡図の上で考察を試みた。
3) 市販セメント5種願につき分粒し, 各粒分中の遊離石灰を測定して累積曲線で表わした。この曲線の形状は, 1-5μの粒径の遊離石灰が, セメント粒子中に一様に分布し, そのうちセメント粒子表面に露出しているような, および単体分離しているような遊離石灰の示しうる累積曲線と見掛け上近似する。セメント中の遊離石灰全量の65-75%は, 15μ以下のセメント粒分に聚つている。且つ, セメント粒子中に内包されている遊離石灰は, 遊離石灰全量の10%を越えない。
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