窯業協會誌
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86 巻, 995 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 陶磁器素地と釉薬との適合性に関する研究, 第8報
    稲田 博
    1978 年 86 巻 995 号 p. 299-308
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ビトリアスチャイナにおいて, 素地の配合割合を変えることにより, 締焼き後の素地中の結晶量, 釉焼き後の釉応力がどのように変化するかを検討した. 基本配合素地にカオリン3%又は長石2%を添加すると, クリストバライトの生成が半減し, 釉応力が半減した. ケイ石の1-4%添加は, クリストバライトの生成を促し, 釉応力も若干圧縮応力が増加する方向に移行した. 基本配合中の長石の2%を同量のケイ石で置換した場合は, クリストバライト生成量は元の2-3倍に達し, 釉応力も数百kg/cm2圧縮応力側に移行した. 基本配合素地は, 標準焼成条件SK 12RF, 126時間焼成では, 数百kg/cm2の圧縮応力を示すが, 同温度42時間焼成, 又はSK 13RF 126時間焼成では釉応力は0又は引張りを示す. これに対し, 長石2%をケイ石で置換した素地はこのすべての焼成条件で数百kg/cm2の圧縮応力を示し, より広い焼成条件幅において貫入に安全なものをつくり得る量産的にすぐれた配合であることが分った. 素地中の長石の一部 (1.5%) をペタライトで置換するとクリストバライトの生成が促進され, 釉応力が増すことも観察された. したがって, これらは, 仮に焼け過ぎて残存石英が減少しても, それに相応するだけのクリストバライトを生成し総結晶量を余り減少させないため, 釉応力を貫入に対し安全側に保つことができると考えられる.
  • ZnO-Al2O3-SiO2系ガラスの結晶化に関する研究, 第1報
    横石 章司, 斎藤 肇
    1978 年 86 巻 995 号 p. 308-316
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ZnO-Al2O3-SiO2系ガラスから透明結晶化ガラスを得る目的で一連の研究を行った. 基礎ガラス組成は本系の共融組成の付近の次の二つの組成とした. No. 3: 38 ZnO, 11 Al2O3, 51 SiO2 mol%, No. 5; 44 ZnO, 11 Al2O3, 45 SiO2 mol%, 均一に結晶化したガラスを得るため, 核形成剤としてZrO2を用いた. 析出相及びガラスのbulk-crystallizationに対するZrO2添加の影響を調べるため, DTA, XRD, 電子顕微鏡を用いた. 得られた結果は次のとおりである.
    (1) No. 5組成ガラスからは, 急熱した場合も, また徐々に加熱した場合 (例えば, 15℃/minで900℃まで) も, 準安定β-Zn2SiO4固溶体と準安定β-石英固溶体が析出した.
    (2) No. 3組成ガラスからは, 室温から徐々に加熱した場合 (例えば, 15℃/minで900℃まで), No. 5組成ガラスの場合と同じ相が析出した. 770℃以上で急熱するとβ-Zn2SiO4固溶体の他に, Zn-ペタライトが析出した. この結果から, これら二つの相の核形成及び結晶成長温度域の差によって以上のことが引き起こされると思われた.
    (3) ZrO2を添加したガラスでは, 析出したZrO2とともに同じ相がみられた. いずれのガラスも9wt%以上のZrO2の添加でbulk-crystallizationを起こす. その機構は次のように考えられた. 9wt%以上のZrO2の添加で分相が起こり, ガラス中のdropletから正方晶ZrO2が析出する. ガラスとZrO2結晶間の界面が, 主結晶相の核形成に寄与する.
  • 持田 統雄, 高橋 健太郎, 中田 耕平, 渋沢 奨
    1978 年 86 巻 995 号 p. 316-326
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    MO1/2-TeO2 (M: Li, Na, K, Rb, Cs, Ag, Tl), MO-TeO2 (M: Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Zn, Cd, Pb) 2成分系のガラス化範囲及びガラスの密度, 屈折率, 熱膨張, 赤外吸収スペクトルを測定した. TeO2含量の多い組成では, 熱膨張係数の大きさ, paratelluriteとの赤外吸収スペクトルの比較により, Te4+はひずんだ四方錐配位をとり, おそらく層状網目を形成するものと推定した. TeO3三方錐のみを含む結晶の赤外吸収を基にガラス中のTeO3三方錐のTe-O伸縮振動を帰属した. その吸収強度の変化から, 1価の系では33mol%付近から, MgO, ZnO系では20mol%付近からTe4+の三方錐化が著しくなること, 36mol% BaOガラスでもTeO3三方錐が存在することを示した. 他の物性の変化もこのような構造変化と矛盾しないように思われる.
  • 服部 信, 近藤 充隆
    1978 年 86 巻 995 号 p. 326-330
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    混合アルカリリン酸塩ガラスを, 単一アルカリガラスから成る2元固溶体として取り扱い, 混合エンタルピーを熱化学的に求めるために次の実験を行った. 全アルカリ酸化物とP2O5のモル比 (R) が1.0及び1.2のLi-Na混合ガラスの溶解熱を, 双子型微小熱量計を用いて測定した. 次の過程のエンタルピー変化を混合エンタルピー, ΔHmとした. x[RLi2O・P2O5](gl)+(1-x)[RNa2O・P2O5](gl)→R[xLi2O・(1-x)Na2O]・P2O5(gl) すなわちΔHmは単一アルカリガラスの溶解熱の加成値から混合アルカリガラスの溶解熱を引いて求めた. (gl) はガラス状態を, xはLi/(Li+Na) の原子分率を表す. ΔHmはすべての場合に負であり, x=0.5に関して対称的な依存性を示した. Lumsdenモデルを適用して, 分極エネルギー変化による寄与を計算したところ, 実測値とよい一致を示した. ちなみに, 前に報告したホウ酸塩ガラスの場合は, アルカリ含量の多いガラスのとき両者の接近が認められた.
  • 金子 泰成
    1978 年 86 巻 995 号 p. 330-333
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アルカリケイ酸塩及びアルカリホウ酸塩ガラスの光電子分光スペクトルを測定した. アルカリケイ酸塩ガラスのO 1sのスペクトルは, 架橋酸素と非架橋酸素とで明りょうに異なっていた. アルカリホウ酸塩ガラスのO 1sとB 1s結合エネルギーは, アルカリ酸化物含有量の増大とともに減少した.
  • 佃 康夫
    1978 年 86 巻 995 号 p. 333-335
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 岸井 貫
    1978 年 86 巻 995 号 p. 336-337
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 86 巻 995 号 p. A34-A42
    発行日: 1978/07/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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