主原料の火山灰 “シラス” にNa
2O, Li
2O, TiO
2, ZrO
2, Fe
2O
3を添加し, 発泡剤としてカーボンを用いた結晶化泡ガラスの製造とその発泡機構について述べている. まず, 調合物を溶融してガラスカレットを得た. そのガラスカレットをボールミルで粉砕して-420μmとした. 得られたガラス試料にカーボンを添加し, 15kg/cm
2で圧縮成形して4×4×4cmの成形体を作った.
成形体の熱処理は, 160℃/h-1100℃/hで760℃まで昇温して760℃で10分間保持した.
得られた結果を要約すると次のとおりである.
(1) 適度の結晶化傾向を示すガラスカレット成形体は結晶化しないものに比べ, 熱処理中に小さな変形しか示さない. これは, Li
2O・SiO
2及び未知の結晶析出によって軟化温度が上昇するためである.
(2) 熱膨張係数は結晶化によって減小した.
(3) 比圧縮強度 (圧縮強度/比重) は, 一部結晶化したものが結晶化しないものに比べ著しく向上した.
(4) ガラス成形体の熱処理中に生成する発泡ガスは, Fe
2O
3還元によるO
2, カーボンの吸着ガス, カーボンに含まれる微量の有機物の分解ガス及びガラスカレット中の溶解ガスであった.
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