窯業協會誌
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88 巻, 1015 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 藤木 良規, 太田 進啓
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 111-116
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    K2Ti4O9相の長繊維化の合成条件をK2MoO4フラックスを用いて1200℃以下の種々の温度からの徐冷法で検討した. 出発繊維組成を (K2O)x・TiO2式で表示するとき, K2Ti4O9単独相繊維の生成領域は出発組成及び反応温度依存性を示し, x=1/4の場合に1150℃以下, x=1/3の場合に1200℃以下であった. 更に, この生成領域の中でx=1/4組成で1150℃から徐冷した時が最も長繊維化した.
    フラックス反応のDTA, TG及び小るつぼを用いた急冷法によるフラックス反応の詳細な解析からK2Ti4O9相繊維の成長反応を解明した. それによれば一般的な溶解-析出反応の寄与は小さく, 2K2Ti6O13(s)+K2O(l)→←3K2Ti4O9(s) 式に従う解離-会合反応である. K2Ti4O9相の解離反応は, 高温領域で優勢となり, K2Ti6O13相とK2O相の会合反応は, 徐冷効果を示して低温領域で優勢である. K2Ti4O9相繊維の成長は高温からの徐冷により会合反応が促進されるとき最も顕著である.
  • 頓行 宏
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 117-121
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    VO2+によるK2O-BeO-B2O3系着色ガラスの光吸収スペクトルを, そのガラスの網目結合中におけるπ電子の挙動を明らかにするために測定し, 得られたスペクトルから, そのガラス系におけるベリリウム原子の結合形態を, 簡単なπ電子理論の立場から考察した. その結果, K2O-BeO-B2O3系ガラス中のベリリウム原子が, K+[>O…BeO3]-なる結合形態をとって, 4面体型4配位の [KOBeO3] 群を形成していると考えれば, 光吸収スペクトルのガラス組成依存性が説明できた.
  • 長谷川 洋, 今岡 稔
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 121-127
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2Na2O・3WO3ガラスのX線回折を測定し, 動径分布曲線を得た. 先に報告したK2O・2WO3ガラスの場合, その構造は対応する結晶と同じ骨格を持っていた. 相図を見ると現在のガラスと同じ組成の結晶相はない. そのような組成の融液を冷却すると, 普通はその組成の両側の結晶相が混じったものになるが, ガラス化した場合の構造も果たしてこうなるか興味深い. 幾つかの構造モデルを組み立てpair-function法を用いて計算動径分布曲線を求め, 実験曲線との一致の具合から適否を判定した. その結果上述の混合構造は不適当であることが分り, 均一系として構造を考えていったが, 結局WO6 8面体が鎖状に連結したものに側枝としてWO4 4面体が結合した鎖状構造が適当と判断された. disorderの導入により実験動径分布曲線との一致の具合はかなり改善された. 以上の結果から対応する結晶相のないガラスの構造が必ずしも共融混合物のように2種の構造の混合物ではなく, 単一のしかもガラス特有の構造をとることが分った.
  • 有岡 雅行, 小久保 正, 田代 仁
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 128-134
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Li2O・Al2O3・4SiO2及びLi2O・Al2O3・4SiO2+0.01 (Li2O・2B2O3) 組成 (モル比) の融液を, 高周波誘導加熱方式による温度こう配付き徐冷炉により, 60°-140℃/cmの温度こう配下で0.7-17mm/hの速度で一方向に凝固した. その結果, 直径410-750μmの柱状のβ-スポジュメン結晶が, その 〈110〉 方向を試料底面に垂直にして析出した. 気孔率0.9-4.8%の多結晶体が得られた. 柱状晶の径は, 凝固速度が大きいほど小さく, また, Li2O・2B2O3の添加により小さくなった. 結晶の配向性は, 温度こう配と凝固速度の比が10℃・h/mm2以上の場合には, ほとんど完全であったが, その比が3.5℃・h/mm2以下の場合にはやや悪かった. 凝固試料の気孔率は凝固速度が1.7mm/h以下の場合に低く, また, Li2O・2B2O3の添加により低くなった.
    得られた多結晶体は凝固進行方向では-(23-25)×10-7/℃の, それに垂直な方向では-(4-8)×10-7/℃ (いずれも20°-500℃の温度域において) の, 異方性の熱膨張係数を示した. 凝固進行方向の熱膨張係数は, 試料中のβ-スポジュメン結晶のa軸方向のそれにほぼ等しかった.
  • 長谷 貞三, 冨塚 功, 鈴木 弘茂
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 134-140
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    カーボンブラックとSi, SiOあるいはSiO2の反応から調製したβ-SiC微粉末について透過電子顕微鏡観察を行い, これら粉末粒子の大きさ, 形状及び凝結の程度について論じ, 更に未反応残留炭素についても粉末粒子における所在位置及びケイ素源によつて影響されたと考えられる様相を格子像からとらえた. また, フッ化水素酸と硝酸の混酸で処理した粉末について, β-SiC粒子の腐食の様相を観察し, 格子像の観察結果とあわせて微粒子の化学的活性の原因を考察した.
  • 今岡 稔, 長谷川 洋
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 141-150
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2PbO・SiO2ガラスのX線を測定し, 動径分布曲線を得た. このガラスの構造は古くから研究されていてPb原子の配位数やその連結の具合について幾つかの説があった. 著者らは結晶構造を参考にして実験動径分布曲線との対応を見ながら構造モデルを選択していったが, 結局3配位のPb原子が鎖状に連なったものを単離したSiO4 4面体がつないでいる層状構造が最も対応がよかったので, 更に詳しく検討した. この構造はPbO3三角錐の向きにより4種の構造が考えられるが, その内2種は柔軟性に乏しく不適で, 残りの2種につき構造パラメーターを変えて適当な箇所を捜した. disorderとして原子間距離の統計的分布に加えて, 構造に対応した分布を導入してpair-functionを計算し, それらを積算して計算動径分布曲線を求め実験曲線と比較したが, 十分満足しうる結果が得られた.
  • 作花 済夫, 西雪 敏紀
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 151-158
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    10-70mol%のNa2Oを含むNa2O-Al2O3-B2O3系, 10-70mol%のCaOを含むCaO-Al2O3-B2O3系及び15-70mol%のNa2Oを含むNa2O-SiO2系ガラスについてNi2+イオンの光吸収スペクトルを測定した. ほとんどすべての組成において6配位のNi2+によるものと考えられる三つの独立した吸収ピーク, すなわちν1 (ピーク波数4700-8300cm-1),ν2 (9100-13300cm-1) 及びν3 (21300-24400cm-1) が認められた. ただし組成によっては, 4配位のNi2+の存在を示すν4 (16000cm-1付近) と6配位のNi2+による小さいν5 (18000cm-1付近) の吸収帯がν3のショルダーとして認められた. Na2O-Al2O3-B2O3系において, ν1, ν2及びν3 (以下ν1, ν2, ν3などはピーク波数をも表す) はNa2O含有量が増すにつれて減少し, 40-50mol%付近で極小に達し, その後Na2O含有量が増すにつれて再び増大した. CaO-Al2O3-B2O3系において, ν1, ν2, ν3はCaO含有量が増すにつれて減少したが, その変化はあまり大きくなかった. Na2O-SiO2系においては, Na2O含有量が増加しても, ν1, ν2, ν3の変化はわずかであった. 以上のガラス組成によるNi2+の吸収スペクトルの変化を比較検討し, Ni2+の配位数, 配位子酸素の電子状態, ガラス網目の連続性などに基づいて説明した.
  • 田中 英彦, 猪股 吉三, 川端 治雄
    1980 年 88 巻 1015 号 p. 158-160
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 88 巻 1015 号 p. A13-A16
    発行日: 1980/03/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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